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第108回 高校生と語ろう“ミルクの未来”

牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

第108回 高校生と語ろう“ミルクの未来”
日時
2023年2月20日(月)
会場
乳業会館 会議室
ゲスト
洗足学園中学高等学校生徒2名及び家庭科教師
【 出席者 】
「牛乳・乳製品から食と健康を考える会」委員
元 毎日新聞社記者 今井 文恵
ジャーナリスト 岩田 三代
消費生活コンサルタント 鷺 仁子
科学ジャーナリスト 東嶋 和子
㈱Food Connection  代表取締役 橋本 玲子
産経新聞社 社会部記者 平沢 裕子
(50音順)
乳業メーカー広報担当
酪農・乳業 専門紙記者
日本乳業協会:沼田専務理事、本郷常務理事他
【内容】
新たな試みとして、牛乳・乳製品の普及・啓発にとって重要ターゲットである現役の高校生に参加いただき、洗足学園中学高等学校の「総合的な探究の時間」で取り組まれた牛乳の再利用に関する研究論文を発表いただくとともに、出席者全員で「高校生と語ろう“ミルクの未来”」をテーマにディスカッションを行った。

探究発表

指導担当 家庭科教師から説明

このたびは生徒の研究論文の発表の場を頂戴いたしましたこと感謝申し上げます。私から簡単に洗足学園のご紹介と、本校における研究論文の取り組みについてお話をさせていただきます。
洗足学園は神奈川県川崎市にある私立の学校法人です。幼稚園から大学まで約5,500名の生徒が同じ敷地で学んでおります。中学・高校は一貫校の女子校です。
校名の由来は、目黒区の地名と思われることも多いのですが、実際には地名ではなくて、創立者が敬虔なクリスチャンであったことに起因します。キリストが十字架にかけられる前の最後の晩餐で12名の弟子の足を洗ったという聖書の一節から、互いに相手を思いやって、謙虚にして慈愛に満ちた奉仕ができる女性を育てたいという創立者の願いが、この洗足学園の校名に込められています。
大正13年、1924年の創立で来年100周年を迎えます。現在、その100周年を祝うためのさまざまな企画が、生徒の実行委員を中心に進められています。

探究に関してですが、学習指導要領の改訂に伴って、令和4年度から高校課程において、「総合的な探究の時間」というのが学年進行で実施されることになりました。その目標の中の、「実社会や実生活と自己との関わりから問いを見いだし、自分で課題を立て情報を集め、整理・分析して、まとめ・表現できるようにする」に特に注目しています。
本校では研究論文という取り組みを20年以上前から行っていまして、この学習指導要領の改訂で「探究」というのが出てきたときも、今までやってきたことということで、特に準備に慌てるようなことはありませんでした。本校は中高一貫校で、中学3年生と高校2年生と、在学中に2本の論文執筆を行います。中学3年生の論文というのは学年担当者が指導をしていきまして、そもそも論文を書くというのが初めてなので、特にそのときに注意することは、そもそも論文って何かとか、論文というのは序論・本論・結論と構成されていくというところからまずは伝えていきます。
そして、入学時にChromebookを持って、授業とか課外活動でも日頃使用していて、論文執筆もChromebookを使います。そのページ設定のやり方とか、論文の中ではクエスチョンマークとかびっくりマークのようなものは使わないとか、論文は「ですます調」ではなく「である調」で書くといった、形式に則った文章の書き方を、端末を使って指導していきます。

また、インターネットを使って情報を検索するというのに慣れている世代の生徒たちですが、ネット情報をそのままコピー&ペーストするのはもちろん駄目ですし、そのネット情報の中には真偽の疑わしいものが相当混ざっていますので、その情報が信頼できるものかどうかの判断ポイントなどを教えます。一般的には文献資料の方が信頼性が高いこと、ネット情報でも口コミサイトなどを見るのではなく、Google Scholarなどから見つける学術論文であるとか、政府の統計調査データなどは信頼に当たるものであることを指導していきます。また、その集めた資料をもとに論文を執筆する際の引用だとか、参考文献の示し方といったのも指導のポイントとなります。

指導担当 家庭科教師から説明

1学年が大体250名ほどで、学年担当の教員が10名ですので、教員1人当たりで20名以上の生徒を担当することになります。ですので、この論文の指導も内容の専門的なものというよりは、論文の形式に則るということを主なものとしています。だいたい1月末頃に提出をして、2月に要旨をまとめて、中学3年生が修了します。
高校に入りまして、高校1年生でも論文については考えていくことをしていきます。4月は体育祭で少し忙しいのですが、それが終わって一段落つきましたら、大体5月から6月頃に、中学3年生のときに執筆した論文についてプレゼンを行って、それを通して自分の論文の自己評価と、それからクラスメイトに総合評価をして振り返りをしていきます。
そして、高校2年生での論文の準備をしていくことになるのですが、高校2年生の論文の執筆にあたってはテーマ設定を非常に重視していきますので、高校1年生のときからこのテーマの模索にかなりの時間をかけます。夏休み中に課題として関連書籍を読みながら、どのような形で研究していけるかを考えていく、また、どのような方向性でテーマを探していくかといったことを折に触れて話をしていきます。
また、生徒同士で自分が考えているテーマについて発表して、お互いにコメントをする場を探究の時間に設けていきます。友人の前で発表をする機会を設けていくことで、自分の番になったらとにかく何かしゃべらなくてはならないので、そのためには何か考えなくてはといった準備をします。また、両隣の生徒は必ず発表した生徒に対して何らかのコメントをするといったことを繰り返していきまして、友人の発表をとても集中して聞きますし、また、その過程で自分のテーマの方向性が決まったりとか、あとは、共同研究の仲間を見つけていったりということをしていきます。

高校2年生の進級時には、ほぼテーマが決定しているという状態になります。そして、中学3年生のときとの大きな違いというのが、高校2年生の論文指導については、学年の教員を超えて校内の全教員が担当をしていきす。教員にも指導できる分野に関するアンケートというのがあります。私自身は自分の教科が家庭科ということもありまして、栄養とか生活科学、あとは、学生時代の専攻が人類学でしたので、そういったところだったらばいけますといったことをお返事して返しました。
これに関しては、校長や教頭などの管理職も論文指導に当たりますので、どの教員が、自分の指導担当者になるかというのは、生徒にとってはかなり緊張するようです。私自身は、現在の高校2年生は中学生のときにクラスを持っていて担任もしていましたし、あと、授業でもたびたび会っていましたので、顔なじみなので多分、この2人は安心したのではないかなと思います。

5月のゴールデンウイーク明けから本格的に始まる感じになるのですけども、4月の末にその担当者が発表されまして挨拶をしにいくのですが、その挨拶についてもまずはメールでアポをとる。そして、その文面も失礼のないようなものにすることなど、大人になってから社会人としてもするべき配慮についても学ぶ機会となってきます。6月から8月頃に、担当教員と相談をしながら研究を進める時期となりまして、その後、中間発表を秋頃に行い、その後手直しなども経て、年内に論文を完成させました。そして、年明けに要旨をまとめて発表準備をして、クラス内発表を行って、3月9日に公開発表会となります。
高校2年生の公開発表というのは学校行事扱いとなっていまして、校舎内を広く使って分野ごとに発表を行います。ポスター発表形式となりまして、高校2年生が自分の研究をまとめたポスターを作成して、下級生に向けて発表をします。下級生から見て興味深い内容とか、よくまとまっているなと感じたポスターにはシールが張られていって投票をしていくということも行っています。
あと、学年代表者はスライドを使っての発表を行いました。今年度も6組9名の生徒が学年代表として大講堂のステージで発表を予定していまして、今日の2人もそのうちの1組となります。本校ではこのように研究論文指導を通して探究活動を行っております。