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第68回 食品等に含まれる放射性物質

牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

- 2.食品等に含まれる放射性物質 -
<食品衛生法上の暫定規制値>

・今回の原発事故以前は、国内で生産された食品中の放射性物質に関する食品衛生法上の規制はなかった。(食品から許容することのできる線量を、放射性セシウムでは年間5ミリシーベルトとしたうえで設定している。)
・今回の事故をうけて、厚生労働省は、3月17日に食品衛生法上の暫定規制値を設定。
・その後、食品安全委員会による食品健康影響評価を受けて、新たな規制値の設定に向けた検討が行われている。

人食品中の放射性物質に関する暫定規制値(放射性ヨウ素、放射性セシウムのみ抜粋)
【放射性ヨウ素】(混合核種の代表核種:131I )(Bq/kg)
飲料水 300
牛乳・乳製品 注) 300
野菜類(根菜、芋類を除く) 2,000
魚介類 2,000
放射性セシウム
飲料水 200
牛乳・乳製品 200
野菜類 500
穀類 500
肉・卵・魚・その他 500

注)100Bq/kgを超えるものは、乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しないよう指導。

<暫定規制値設定の考え方>
<暫定規制値設定の考え方>
<農畜産物等の調査の考え方(事故直後)>

・事故直後は、放射性ヨウ素の降下による影響を受けやすい食品に重点を置いて調査
・「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」は、
(4月4日原子力災害対策本部)

  • ・総理指示対象自治体とその隣接自治体、暫定規制値超え食品生産自治体(11都県)
  • ・暫定規制値を超える放射性物質が検出された品目
    ⇒野菜類(非結球性葉茎菜類、露地物を優先して選択:ホウレンソウ、シュンギク、カキナ、ミズナ、コマツナ)、乳など
  • ・週1回程度(曜日などあらかじめ計画)
  • ・暫定規制値を超える又は暫定規制値に近い濃度の放射性物質が検出された場合は、国が別途指示
<農畜産物等の調査の考え方(現在)>

・放射性ヨウ素の検出レベルが低下する一方、暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されていることを踏まえ、放射性セシウムの影響及び国民の食品摂取の実態等を踏まえたものの調査を充実
・「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」は、
(8月4日原子力災害対策本部)

  • ・総理指示対象自治体とその隣接自治体(17都県)
  • ・暫定規制値を超える放射性物質が検出された品目
    ⇒野菜類等(露地物を優先して選択:非結球性葉菜類、カブ、キャベツ、ブロッコリー、パセリ、セリ、ウメ、原木しいたけ(露地)、たけのこ、くさそてつ、生茶、荒茶、製茶)、乳、水産物、牛肉など
  • ・国民の摂取量の多い品目・・・米など
  • ・品目の生産・出荷等の実態に応じて計画し、定期的(原則として週1回程度)に実施
  • ・暫定規制値を超える又は暫定規制値に近い濃度の放射性物質が検出された場合は、検査を強化
<食品の出荷制限と解除>

・出荷制限(原子力災害対策本部長(総理)から関係県知事への指示):
調査結果に基づき、暫定規制値を超えた品目について、生産地域の広がりがあると考えられる場合
・放射性ヨウ素の検出値に基づく出荷制限の解除:
概ね1週間ごとに行われる検査において、3回連続して暫定規制値以下の場合
・放射性セシウムの検出値に基づく出荷制限の解除:
米・大豆等一部の品目を除き原則として1市町村当たり3ヵ所以上、直近1ヵ月以内の検査結果がすべて暫定規制値以下の場合
・出荷制限が指示されている品目・地域(平成23年11月7日現在)
【福島県】
一部地域:原乳、非結球性葉菜類、結球性葉菜類、アブラナ科の花雷類、カブ、原木シイタケ(露地栽培・施設栽培)、原木なめこ(露地栽培)、キノコ類(野生のもの)、たけのこ、くさそてつ、ウメ、ユズ、クリ、ヤマメ(養殖を除く)、ウグイ、アユ(養殖を除く)
全域:イカナゴの稚魚、牛肉(*)
【茨城県】
一部地域:原木シイタケ(露地栽培・施設栽培)、茶
【栃木県】
一部地域:原木クリタケ、茶
全域:牛肉(*)
【千葉県】
一部地域:原木シイタケ(露地栽培)、茶
【神奈川県・群馬県】
一部地域:茶
【宮城県、岩手県】
全域:牛肉(*)
(*)県の定める出荷・検査方針に基づき管理される牛は出荷制限の対象から除く。