第71回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

8.食品や飲料水に含まれる放射性物質に関する規制はどのようなものですか。加工した食品はどのように扱われるのですか。

新しい基準は、分かり易いものにした。飲料水については、全ての人が飲んで代わりがなく、その摂取量が多い。1日2リットル飲むため、一番厳しく見る必要がある。牛乳と乳児用食品は、子供がたくさん摂取する。チェルノブイリ事故の調査結果から放射性ヨウ素の影響による甲状腺癌の増加が推察されたことから、厳しい基準を定める必要がある。
それ以外の食品については追加被ばく年間1ミリシーベルトに抑えるべく計算するとの考えで、最も食事量の多い13~18歳の男子が食べる量の平均値を想定し、その量の半分(国の自給率が40%で、政府としてはこれを50%に高める計画があるため)が放射性物質を含んでいた場合、1年間の追加被ばくを1ミリシーベルトに抑えるためにはどこまで許容されるかを計算した場合、放射性セシウムが含まれる量の限界は120ベクレル/Kgとなる。さらに、量は少ないがストロンチウム等他の原発由来の放射性物質もあるため、こういった核種を取り込んでしまう可能性も考慮し、120という値を更に切り下げ、一般食品の基準値を100ベクレル/Kgとした。
牛乳と乳児用食品は、子供たちが飲む牛乳、食べる乳児用食品は、全て国産品で全てに放射性物質が含まれていた場合を前提に計算し、50ベクレル/Kgというより厳しい値を定めた。
飲料水の10ベクレル/Kgというのは、1日2リットル飲むということと、国際基準WHO基準で飲料水中の放射性物質は10ベクレル/Kgまでとなっていることに合致させている。

年齢区分別の摂取量と放射性物質の健康に与える影響を考慮し限度額を算出

9.農産物はきちんとモニタリング検査が行われているのですか。

新基準値を定めたが、モニタリング検査を実施することで、基準値を守ることを確保している。
検査を行うべき対象の自治体は、青森から新潟、長野、静岡を結んだ東日本1都16県で、県による検査体制を整えている。
検査の内容としては、過去50ベクレル/Kgを超えたものについては週1回調べる。牛乳については週1回、その季節に始めて流通するものについては出荷の3日前から調べて、安全であれば流通する。1回出荷制限し、その後何回か調べた結果基準値以下で出荷制限を解除したものについても、継続的に調べるという態勢を取っている。牛乳については週1回クーラーステーションで調べる。

10.食品の出荷制限と摂取制限の仕組みは。

摂取制限は、著しく高い濃度の放射性物質が検出された場合、「当該食品を食べないでください。」と言うもので、現在、出ていない。
出荷制限は、現在出ているもので、内閣総理大臣が原子力災害特別措置法に基づく原子力対策本部長として特定の市町村を単位として特定の品目について出荷の制限を指示することである。例として、千葉県の白井市産の原木シイタケで高い値が出た。これを踏まえ、野田総理大臣は原子力対策本部長として、森田千葉県知事に対し千葉県白井市産の原木シイタケについて出荷制限の指示を出し、その指示に対し森田知事は白井市長と白井市を範囲とするJA西印旛の組合長に対し「出荷しないよう要請します。」との要請書を出した。これを踏まえ、千葉県知事は職員である農業改良普及員に対し、農家を巡回し実際出荷していないことを確認させる。また、農協職員も農家、直売所、市場、農協の選果場を見に行く等の取り組みを繰り返すことで「絶対出荷させない。流通させない。」体制を取っている。
出荷制限の基礎になる原産地表示については、農林水産省の職員で食品表示Gメンが全国規模で、偽装表示の立入検査、指示、公表等を行っている。朝早くから夜遅くまで地道な活動により、偽装表示を無くすよう努力している。

11.野菜をゆでたり洗ったりすると放射線量が減りますか。家庭菜園の野菜は大丈夫ですか。

現在は出荷制限等が厳格になっていることから、市場で販売されている野菜等に対し、特別な調理方法等の必要性はない。ただ、家庭菜園の野菜はどうなのかという問題がある。その場合、その地域で出荷制限されているものがあるかどうか調べ、該当するものについては食べるのを見合わせるよう呼びかけている。消費者庁は自治体に対し、検査機を全国で400台貸し出している。また、たとえば福島市では消費者庁だけでなく県、赤十字からの貸し出しもあり、各公民館、学習センターに1台検査機が置かれている。そこに検体を持ち込み、測定し、安全を確認後食べるよう指導している。このように地道な努力により追加被ばくを避けるよう取り組んでいる。

12.お米はきちんと検査されるのですか。

福島県の特定の地域については、全ての米袋毎に検査をすることを始めた。昨年の米で500ベクレル/Kg以上の放射性物質が検出された地域では作らない。100ベクレル/Kg~500ベクレル/Kgの値であった地域では、全ての袋毎の検査により問題ないと判明したもののみ番号記録とマーク付けを行い出荷という体制を先週末から始めた。このように福島産のコメは厳格に管理しているので安心いただきたい。(後に、福島県においては、県内すべての米について全袋検査を行うこととした。)

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