第68回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

3.FAQ

Q1. 少しでも放射性物質を含む食品は食べない方がよいのでしょうか?
A1.
  • ・流通している食品を食べ続けても健康への影響がないように、暫定規制値が設定されています。
  • ・野菜や果物には、口腔ガン、食道ガン、胃ガン、結腸・直腸ガンのリスクをほぼ確実に下げる効果があります(WHO「食事、栄養及び慢性疾患予防」に関するレポート)。
  • ・私たちは、原発事故とは関係なく、通常の食生活で摂取した自然放射性物質(放射性カリウムなど)により、年間約0.41 mSv程度被ばくしています。
  • ・放射性物質を心配するあまり偏った食生活をすると、別の観点から健康への悪影響がでる可能性があります。バランスのよい食生活を送ることが大切です。
Q2. 「ND(検出されない)」について
A2.
  • ・「ND(not detected、検出されない)」とは、検出下限未満の濃度であるということであり、存在しないということではありません。
  • ・例えば、「10 Bq/kg」という報告と、「ND(検出下限:50 Bq/kg)」という報告があるとすると、どちらがより低い濃度なのでしょうか。この「ND」は50 Bq/kg未満ということなので、実際の濃度は10 Bq/kgより高いかもしれません。
Q3. 検出下限について
A3.
  • ・食品安全の分野では、世界的に、検出下限を基準値の1/10以下、定量下限値を基準値の1/5以下とするべきとされています。
  • ・消費者の健康を守るためには、より多くの食品を分析できるほうがよく、目的にかなう分析法(測定機器、分析条件等)で分析することが必要です。
  • ・検出下限を小さくすれば、規制値を大幅に下回るわずかな量でも検出することができますが、そのためには時間や経費がかかり、検査できる試料数が減ります。
    (例)定量下限を50 Bq/kgから20 Bq/kgにしようとすると、測定時間は約6倍になる。
Q4. 私たちは食品からどのくらい被ばくしているのでしょうか?
A4.
  • ・厚生労働省は、8月31日までの食品中の放射性物質濃度の測定データと食品摂取量のデータをもとに、原発事故発生後に流通している食品に含まれる放射性セシウム及び放射性ヨウ素からの1年間の被ばく線量を推計しています。
  • ・この推計では、「いずれの推計方法でも追加の被ばく線量が0.1 mSv程度(中央値)になると推計されることから、この間の食品からの実際の被ばく線量は、相当程度小さいものに留まる」とされています。
  • ・推計結果((抜粋)平成23年3月~8月の6月間の実測値による線量推計)
    (中央値濃度の食品を継続して摂取した場合)
      全年齢 妊婦* 小児 胎児* 乳児(母乳摂取のみ)
    年間合計 0.099 0.066 0.135 0.057 0.041
  • ・推計値の変動要因
  • 〔過大評価の要因〕
    ・9月以降については、8月のデータをあてはめて1年間の被ばく線量を推計。(今後、福島第一原発からの大きな放射性物質の追加放出がない限り、低減していくと思われる線量を8月のデータのまま仮置き)
  • ・推計に使用したデータは、福島県産のデータが約3割を占めている
  • ・不検出のデータは、一律10 Bq/kgとして扱っている
  • 〔過小評価の要因〕
    ・収穫期前などの理由で未測定の食品については、0 Bq/kgとして扱っている

4.質疑応答

Q1. 魚のお話がなかったんですが、魚の検査はどうなっていますか?海水に漏れている放射線の影響が気になりますが。
A1.
  • 魚は、実は問題があり、十分に測れてないというのが現実です。
    福島・茨木では獲らないので測らないのが実状で、宮城では測ることで漁を再開したいとの思いがあり、動きが出てきている。
    現実は《獲らない⇒測らない》という状態です。
Q2. 以前ベラルーシのスーパーで、買い物の方が放射線を図っているのを見たんですが、あの装置では信頼性がないとのことですが、安心感はあるなと思うんですが、スーパーにあのような装置を置くと言うのはナンセンスなんでしょうか?
A2.
  • サーベイメーターで測ると、カリウムとか他のものの影響が出てしまうのと、短時間で測定できるのはかなり大きな数字しか測れないということから、意味がないと考えます。
Q3. 今測定機器のお話だったのでお尋ねしますが、しかるべきところの機器というのはきちんとした装置を使っていると受け止めていいんでしょうか?(行政関係、メーカーとか)
A3.
  • ゲルマニウム半導体のものをきちんと使えばいいのですが、例えば双葉町では空中線量が高いので使えないです。福島県内で測定しているのは信頼度が低いと思います。それに精度管理ができているかが重要です。
    基本的に、国・県・大手分析施設は精度管理もできていると考えます。
Q4. 今、福島・茨木からのものが出回ってきていますが、それらのものはもう大丈夫だと言えますか?
A4.
  • 野菜については、基本的に大丈夫と判断します。
    果実については、大きい果実(金柑・小梅でなければ)はまず大丈夫です。
    牛肉についても、出荷再開以降は出てないので、問題ないと思っています。
    ただ、以前の冷凍物が残っており、「また出た。」ということがあります。
    米については、100 Bq/kgを超えたのが8件しかなかったことと、精米時にほとんどが糠の方に移行し、白米にはほとんど残らないので、白米食べる分には問題ないと考えます。
    キノコは、空中から降ってきた放射性物質が、腐葉土上に蓄積しそれをたっぷり吸っていますから要注意です。通常流通のものはハウス栽培等天然キノコではないので大丈夫ですが、道の駅で売っているものは天然のものが多く保証できない。
    キノコ類を除いて基準値を超えるものが出回る可能性は低いと考えます。
    米・牛乳に気を使った対応をしているのは、日本人の食生活の中で大きなウェイトがあるものが、少しでも高ければ問題となるため低くしなければならないためで、マツタケとかカキナとかは、高い値でも毎日食べる訳ではないのでそれほど問題とはならない。ただし、各都道府県が自粛しているので出回ってはいません。
Q5. 糠味噌の糠にたくさん入っているかもしれませんが、糠を食べる訳じゃないので問題ないですね?
A5.
  • 米全体がそれほど高くないので問題ないと考えます。
    100 Bq/kg超えているのも極僅かにあり、米糠になると8倍くらいになりますが、高い糠ばかり集まるわけではないので、高いものが流通することは考えにくい。
Q6. お茶の件は如何ですか?
A6.
  • 今、お茶は製茶の段階で500 Bq/kgを超えたらダメとなっています。これは原子力安全委員会が決めたことで、厚生労働省はReady to Eatで、飲むお茶の状態で厳しい基準値をクリヤーすればいいのではと考えており、見直しを考えています。
    その場合、お茶は食品ではないので、飲用水の適用を受けると思います。
    飲むお茶は、葉っぱから抽出すると1/50くらいになります。
Q7. 「1959年から2001年まで、全国17ヵ所の水田の土壌と収穫された米の放射性セシウムを分析した結果(計564データポイント)を解析」の背景は何ですか?
A7.
  • 中国の核実験が頻繁に行われた時期で、データがないので憶測ですが、今の線量と同じくらい降っていたと思います。たまたまその時のデータが農林水産省にあり、水田土壌から玄米への移行のデータを使わせていただいた。
Q8. 食品の放射性物質に関する関係省庁の対応で海外向けの情報をどの様に扱っているか(発信しているか)教えていただきたい。
A8.
  • 基本的にあまりいいホームページにはなっていない。外務省および内閣府から情報を出していますが、必ずしも上手くいっているとは思わない。
    後ろ向きなんですが、今の状況の中で、敢えて我が国の食料をそこまで無理して輸出するのか?という気持ちをもっています。
    私が相手の国の食品安全担当でしたら、取りあえず一回止め、春発生し今収穫の時期ですから、次の年のものからではないかと判断します。
    一番好意的なホンコンでも5県のものは止めていますから、タイミング的にまだ早いかなと考えます。ちゃんとデータを添え時間をかけて行う問題かと考えます。
    ヨーロッパでよく引っかかる食品は、タイのものよりも日本のものの方がよく引っかかっている状況です。ヒ素、カドミウム、土壌的にもそのような国なので。中国のものは引っかかるのは常連です。
    輸出側としてはきちっとしたものにして輸出するべきだと思います。世界で勝ってきたトヨタやパナソニック、ソニーの製品レベルのものを農産物も出していかないと信頼は勝ちえないと考えます。今慌ててどうのこうのするべき時期ではないと考えます。
Q9. 道の駅の農産物に対し、農林水産省として安全性の教育等どの様にやられていますか?
A9.
  • 農薬でも残留農薬出たという状況でも、原因は農薬についての知識が足りないために起こります。道の駅の小さなところで起こることが多いので、これらに対し県と農林水産省でわかり易く説明する必要があると考えます。

    《参考》当講演に使用されました資料は、農林水産省ホームページに掲載されております。
    ▼農林水産省ホームページ/放射性物質の基礎知識
    http://www.maff.go.jp/j/syouan/soumu/saigai/kiso_chishiki.html

【放射線測定の現場見学:(財)日本乳業技術協会】

  • 放射線測定の現場見学:日本乳業技術協
  • 放射線測定の現場見学:日本乳業技術協

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