第68回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

<稲の作付制限>

・米は国民の主食であり摂取量が多いことから、暫定規制値を超える米が生産されるリスクを下げるため作付制限を検討
・1959年から2001年まで、全国17ヵ所の水田の土壌と収穫された米の放射性セシウムを分析した結果(計564データポイント)を解析

  • ・土壌の種類による差がないことを確認
  • ・各データポイントでの玄米中及び土壌中の放射性セシウム量の比(移行係数)を算出し、モデル化
  • ・水田土壌から玄米への放射性セシウムの移行の指標を設定:0.1
    (幾何平均値は0.012) 消費者の健康保護に配慮し、安全サイドにたった数字

・4月22日に、避難地域等に加え、水田土壌の放射性セシウム濃度の調査結果と「移行の指標」からみて、
生産した米が食品衛生法上の暫定規制値を超える可能性の高い地域として、

  • 1)警戒区域
  • 2)計画的避難区域
  • 3)緊急時避難準備区域

における平成23年産の稲の作付制限を指示した。

<24年産の作付に向けて>

・土壌から米への放射性セシウムの移行係数は、

  • 1)土壌中の放射性セシウム濃度が低いほど大きくなる傾向がある。
  • 2)時間の経過とともに放射性セシウムがより強く土壌に吸着されるため小さくなる。

・23年産玄米及び水田土壌の放射性セシウム濃度を比較して、得られる移行係数を統計的に解析し、新たな移行の指標を算出
・セシウム137の農作物への移行の程度

区分 類名 農作物名 科名 移行係数(幾何平均値)
穀類 穀類 コメ イネ科 0.012
[指標値:0.1]
野菜類 葉菜類 キャベツ アブラナ科 0.00092
[指標値:0.0078]
ハクサイ 0.0027
レタス キク科 0.0067
果菜類 トマト ナス科 0.0007
果実的野菜 イチゴ バラ科 0.0015
鱗茎類 タマネギ ユリ科 0.0043
ネギ 0.0023
根菜類 ニンジン セリ科 0.0037
ジャガイモ ナス科 0.011
[指標値:0.067]
サツマイモ ヒルガオ科 0.033
果実類 樹木類 リンゴ バラ科 0.001

<米の放射性物質調査>

・4月に作付制限を行ったうえで、土壌調査等の結果を踏まえて収穫前と収穫後の2段階で調査を実施
・東北、関東等の土壌中の放射性セシウム濃度が高い(1000 Bq/kg以上)市町村等にて、

  • 1)予備調査:穫適期前の玄米で、あらかじめ放射性物質濃度の傾向を把握
  • 2)本調査 :200 Bq/kg以上の濃度の玄米があった地域は重点的に調査を実施
  • ⇒収穫後に放射性物質濃度を測定し、出荷制限の要否を判断
  • ⇒万が一、放射性セシウム濃度が暫定規制値を超えた場合は、その地域の米は出荷制限のうえ、全て廃棄

・これにより、放射性物質濃度が暫定規制値を超える米が流通しない仕組みを整備
⇒23年産米の放射性物質調査概要(放射性セシウム)
・17都県における調査の結果、すべて暫定規制値以下であり、大部分(99.8%)が100 Bq/kg以下(11月4日までに公表された本調査の結果)

総検体数 100Bq/kg 以下 100 Bq/kg超
300 Bq/kg以下
300 Bq/kg超
500 Bq/kg以下
500 Bq/kg超
3,214 3,206 7 1 0

<農産物の放射性物質調査結果(米以外)>

・麦については、土壌中の放射性セシウム濃度が高い市町村や、出穂・開花時期の空間線量率が平常時の範囲を超える市町村で全ロットを調査。
1検体で暫定規制値を超過したが、大部分(95%)は100 Bq/kg以下。
・野菜については、事故当初に放射性物質が降下・付着したことにより暫定規制値を超過したものがあった。
しかし、7月以降は全て暫定規制値以下であり、大部分(99.8%)が100 Bq/kg以下。
・果実(ウメ、青ユズ、ビワ、イチジク、クリ)、茶、きのこ等では暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたものがある。
・農産物の放射性物質調査概要(放射性セシウム)

品目 総検体数 100 Bq/kg以下 100 Bq/kg超
300 Bq/kg以下
300 Bq/kg超
500 Bq/kg以下
500 Bq/kg超
547 520 22 4 1
野菜 3月~6月 3,501 3,138 181 48 134
7月以降 2,465 2,460 5 0 0
果実 1,493 1,352 92 30 19
荒茶・製茶 479 187 133 87 72
きのこ等 栽培 902 653 95 53 101
野生 183 144 18 2 19

(9月30日までに厚生労働省が公表したデータに基づき作成(麦は10月14日まで)。)

<畜産物の放射性物質調査結果>

・原乳については、原発事故当初に暫定規制値を超過したものがあったが、4月以降は全て50 Bq/kg以下であり、暫定規制値を超過したものはない。
・牛肉については、高濃度の放射性セシウムを含む稲わら等が給与されたことにより暫定規制値(500 Bq/kg)を超過したものがあった。
・豚、鶏はトウモロコシ等の輸入飼料に依存しており、これまで調査した豚肉・鶏肉・鶏卵については全て暫定規制値以下であった。
なお、その大部分(98.9%)は100 Bq/kg以下。
・畜産物の放射性物質調査概要(放射性セシウム)

品目 総検体数 50 Bq/kg以下 50 Bq/kg超
100 Bq/kg以下
100 Bq/kg超
200 Bq/kg以下
200 Bq/kg超
原乳 3月 173 164 8 0 1
4月~ 826 826 0 0 0
品目 総検体数 100 Bq/kg以下 100 Bq/kg超
300 Bq/kg以下
300 Bq/kg超
500 Bq/kg以下
500 Bq/kg超
牛肉 13,977 13,116 579 148 134(稲わら)
豚肉 208 203 5 0 0
鶏肉 4 74 0 0 0
鶏卵 47 147 0 0 0

(10月12日までに厚生労働省が公表したデータに基づき作成(原乳は10月16日まで)。)

<飼料の規制>

・牛乳や肉などの畜産物中の放射性物質濃度が食品衛生法の暫定規制値を超えないためには、飼料をコントロールすることが必要。
・そのため、飼料中の放射性セシウムの暫定許容値(300 Bq/kg*)を設定し検査を実施。

  • ・例外として、以下の場合には、3,000 Bq/kg
    1)自給飼料生産したもの
    2)単一もしくは近隣の複数の市町村内で耕畜連携の取組等により生産したものを育成牛・繁殖牛など当分の間出荷することを予定していない牛に与える場合
    (粗飼料は水分含有量8割ベース、その他飼料は製品重量)

・暫定許容値設定の考え方

  • ・給与される飼料中の放射性セシウム濃度が暫定許容値以下であれば、その飼料を与え続けても、牛乳や通常の肥育期間で肉用牛から生産される牛肉に含まれる放射性物質の濃度が食品の暫定規制値を超えないように設定
品目 総検体数 100 Bq以下 100 Bq/kg超
200 Bq/kg以下
200 Bq/kg超
300 Bq/kg以下
300 Bq/kg超
牧草 岩手、宮城、栃木、福島
(牛肉の出荷を制限されていた県)
784 302 143 89 250
その他 227 169 33 11 14
飼料用とうもろこし 125 123 2 0 0

(10月21日までに各都県が公表したデータに基づき作成。)

<肥料の規制>

・原発事故により、家畜排せつ物、稲わら、落ち葉、樹皮等が放射性セシウムに汚染され、これらを原料として生産された堆肥が高濃度の放射性セシウムを含有する可能性。
・農地土壌の汚染の拡大を防ぎ、食品衛生法上問題のない農産物を生産するため、肥料等の暫定許容値(400 Bq/kg)を設定し、検査を実施。
・暫定許容値設定の考え方

  • ・施用される肥料等の放射性セシウム濃度が暫定許容値以下であれば、その肥料等を長期施用し続けても、土壌中の放射性セシウム濃度を、過去の農地土壌の放射性セシウム濃度の範囲内に収めることができるように設定

・牛ふん堆肥の検査の仕組み

  • ・対象地域・・・・・18道県
  • ・個別検査・・・・・汚染稲わらや放射性セシウム濃度の高い餌(※)
    を給与した農場等で製造された全製造所の堆肥を検査
    (※)繁殖牛や育成牛等に給与が認められている
    300~3,000 Bq/kgの粗飼料
  • ・抽出調査・・・・・放射性セシウム濃度の高い餌が給与された可能性のある地域では各市町村の堆肥製造所を3ヵ所選んで検査
    3ヵ所全て暫定許容値以内の場合に、市町村全ての製造所の堆肥が出荷・施用できる

・検査結果

品目 総検体数 100 Bq/kg以下 100 Bq/kg超
200 Bq/kg以下
200 Bq/kg超
400 Bq/kg以下
400Bq/kg超
牛ふん堆肥 2,616 1,332 202 253 829

(10月24日までに各都県が公表したデータに基づき作成)

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