第94回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

Q1.容リ法の施行から現在までの流れで、平成12年4月完全施行の対象品目が紙製容器包装及びプラスチック製容器包装となっていますが、この場合の「紙製容器包装」というと対象商品が非常に幅広いと思うですが、どこまでを含めるのでしょうか。
A1.
  • 紙パックと段ボールを除いたものがここで言う「紙製容器」になります。細かい話をすると、紙とプラスチックが貼り合わさっているような容器はどちらになるのだという話があるのですが、その場合は50%以上使っている方の容器の種別に分類されるということになっていますので、紙の方が多ければ紙製容器包装になりますし、プラの方が多い場合はプラ製容器包装になります。
Q2.「紙製容器」というのは、私たちが実際にゴミとして出す場合に例えばチラシなどの紙を出す時にお菓子の箱なんかと一緒に出したりしているのですが、どこまで、どういうものをそういう形で出していいのかがちょっとピンと来ないのですが。
A2.
  • そこが私たちも非常に悩むところです。実は自治体によって廃棄物の集め方、分類の仕方が違っています。そうすると、ある自治体はチラシも容器包装も紙なら紙で集めていいと言うところもあれば、容器だけは別にしてくださいと言うところもあります。そうすると、私たちが一般の市民の方から分類の仕方について聞かれた時に一義的な答えができなくて困っています。
    廃棄物処理法というのが元にありまして、これについては自治体がやりやすいところで、衛生的に処理するのはこういうやり方があるということで決めているところがあって。そこで自治体が決めるのと、リサイクル推進の考えとがなかなか最近になって特に合わなくなってきているところがあると感じます。機会あるごとに役所の方にもお話をしているのですが、環境省などもこちらに舵を来るのは簡単ではないとおっしゃっています。
Q3.賞味期限を延ばしたり、それから扱いやすくしたり軽量化するために、例えばガラスだったら樹脂コートを付けたりとか、紙容器であれば中間的なバリア層を付けたり、プラスチックのコーティングをしたりということで、リサイクルの観点からすると単純な構成の方がいいのに、むしろ食品ロスとか賞味期限を延ばすために複雑な構成になってきていると感じました。そうすると、紙パックとかガラスびんも、リサイクルの時にこの樹脂コートの部分はどのように扱われているのか、より熱量を使って分離しているのではないか。あるいは、この樹脂コートなどのプラスチック部分はどのようにリサイクルされるのかなどが疑問に思いましたので教えていただければと思います。
A3.
  • ガラスびんのリサイクルにつきましては、私も正直はっきりしたことは承知していないのですが、おそらくこれは熱で溶かすことになると思うのですが、その時に燃えるなりして、ガラスを溶かす時の熱量に使われているとは思っています。ただちょっと私もはっきり分からないので、それが正しいというお答えは難しいです。
  • 質疑応答
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Q4.よくアメリカなどでは牛乳は大きいプラスチック容器で流通しているように思いますが、これは歴史的なことも絡んでくるかと思いますが、なぜ日本はいまだに紙パックを採用しているのでしょうか。紙パックの方が海洋プラスチックごみの関係から言うと、むしろこのまま維持をしていったらいいということになるのでしょうか。
A4.
  • 環境面から言うと紙パックは悪いところは何もないと思っています。先ほど申しました通り、もともとバイオマス資源ということで、なおかつリサイクルもできますので。プラスチックで牛乳を詰めますと、やはり汚れの問題があります。汚れたプラスチックをリサイクルするのは思った以上に大変です。
    私もいろいろなリサイクル工場を見に行きましたが、洗浄にすごい時間を掛けています。ペットボトルは比較的単一な素材ですので洗えばそれなりにきれいになるのですが、他のプラスチックだと汚れの問題もありますし、牛乳容器だけが集まってくる工場があればそれはそれで洗えばいいのかもしれませんけど、いろいろなプラスチックと混ざって入ってくるとすると、それが良質なプラスチックにリサイクルができるかというと、どうかなというところがあります。個人的には今の紙パックを使っている牛乳の容器の方が環境適性としてはいいのではないかと思っています。
Q5.紙パックのコーティングも処理過程でサーマルと言うかなくなっているということですね。
A5.
  • 紙パックのコーティングは紙を洗濯機の大きなもので溶かすのですが、その時に途中で網で濾すと、パルプになったものはそこを通るし、ポリフィルムはそこに残るということで分けて、後で燃料にしているのが一般的ですが、今はそれをまたリサイクルしてプラスチックに戻す技術開発もしていると聞いています。
Q6.諸外国で取材してみると、日本はリサイクルに関してかなり先進的な考えでそれを実行していると思うのですが、業界からご覧になると、諸外国との比較において、日本は無反省であるのか、あるいはこういうところを、これちょっとまずいですよというのがあるのか、その辺の実態を教えていただけますか。
A6.
  • 一番の違いは、市民の協力体制です。先ほど容器包装リサイクル法のお話のところで、役割分担というお話をさせていただきましたが、消費者の方がちゃんと分別をしてくれるというのが前提で日本のリサイクルの仕組みはできています。そこの部分はまだまだと言われている部分もありますが、個人的には諸外国に比べるとかなり高いレベルでできていると思っています。そこをなくして日本のリサイクルシステムを回そうと思うと、やっぱりちょっとこれに頼り過ぎているのではとも思いますが、やはり市民の方にしっかり協力をしていただいていることで、ヨーロッパ等々に負けないリサイクルのシステムになっていると思っています。
  • 質疑応答
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Q7.容積率の話がありまして、今研究中であって、それが進めば容器を小さくすることができるということだったと思います。ただ、ストローを刺すものについては撥ねるのでなかなか難しいということでしたが、撥ねたりしないもの、例えばプレーンヨーグルトについてちょっと空間率が広いなという感じがします。容器があって、蓋もちょっと盛り上がるような蓋がありつつ、開けると下の方にすごく低く、しかも上げ底になっている。それは見直しができるのではないか。あるいは容器を変えるのが大変であれば、中身をたくさん入れるとか。値段は上がるかもしれませんが。
この「今研究中」ということについて、その他の商品についてもチェックを進めていらっしゃるのかどうかお聞かせください。
また、ヨーグルトの中身が少なくて、2人で食べてもすぐになくなってしまって空容器がいっぱい溜まるんですね。もう少し大きな容量のものをやっていただくと容器はもっと減っていくと思っています。
A7.
  • 見た目に対して中身が少ないのではないかということは、当社のお客様相談室などにも質問で来ることがあります。それもあるので、容器に関する「環境確認書」のようなものを作って、そういった状況を開発者側に認識してもらうとともに、ではなぜ今この容積率になっているのだということを確認して、ご質問にお答えできる体制を作っていきたいと思っています。
Q8.空間率については過大包装との関係で、20%以上はいけないということがありますよね。そういったことについては、食品はあまり関わらないのでしょうか。
A8.
  • いえ、関わっています。容器包装の担当に聞くと、やはり作る時の液撥ねの問題だとか、充填装置上揺れてしまうとか、いろいろな理由が出てきます。ただそうは言ってもできるだけ容量に見合った容器にしようということで話はするのですが、なかなか技術的に今のところは難しいとも言われます。これからもできる限りそうしていきたいと思っています。
Q9.いろいろな物の中でやっぱり一番身近に私たちが接している、家庭の中で一番冷蔵庫にあるものは牛乳パックかなと思います。私の家でも牛乳を買ってそれをちゃんとリサイクルしたいなと思って、生協を利用している時は生協に出せましたが、生協を使わなくなったらどこに持っていったらいいのか迷っています。さっきおっしゃったように、スーパーでリサイクルをしているのは知っていますけど、新聞だとか段ボールのように自治体で回収してくれる中にこういうものがあればいつでも出せるのにと思っています。皆さんも多分ちゃんとしたいなと思いながらも、身近にそれを持っていく場所が有ったり、土曜日の回収に出せるとかあればいいのですが。
A9.
  • 全国に1,700の市区町村があるのですが、正直なところそれぞれの事情で紙パックを集めないところがあるのは事実です。我々も数字としては年間1人あたり何gぐらい集めているかという原単位を一つの指標にしています。例えば1都3県でみると、さいたま市がよく集めていて200g。23区は平均すると100gも集めていません。でも23区の中でも結構やっているところもありますし、やらないところもあります。ですから、1,700市区町村の対応はまちまちです。あとは、今のようなお声をいただいて、市区町村で集めてくださいというお願いはしているのですがやめてしまうところが多いです。それは財政が理由だと思います。
    最近の例では、今までやってなかったけどやらなきゃいけないと言うことで、大阪市が2013(平成25)年10月から始めています。近々大阪の方で会議があるのですが、どうやってうまく行ったのですかということも聞きながら、そういう話も少しずつ発信していこうと思っています。なかなか全部は回れないものですから、気が付いたところでお願いしていくということを続けています。(全国牛乳容器環境協議会・後藤常務理事より回答)
  • 質疑応答
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Q10.紙パックって一番リサイクルしやすい、すごくいい材質を使っていると聞くのですが、なぜ駄目(リサイクルが進まない)なのでしょうか。
A10.
  • 特に最近では、若い方はリサイクルをするという感覚がない方が多いようです。飲んだらそのままごみ箱に放り込む。それと単身赴任の男性も洗わない方が多いようです。そもそも洗って出すことを知らない方もいて、奥様がやっているのでやっているという立派な人もいるのですが、つい捨ててしまうと。
    あとは、せっかく洗って開いて乾かすのですが、先ほど遠藤先生がおっしゃった紙製容器包装など他の古紙と一緒にしてしまうと、紙の裏表にポリエチレンが貼ってあるために「扱えない」となってしまいます。せっかくそこまでやってくれても、出しどころを間違えると、それはもう引き取ってくれない。多い市町村ではそれが5%ぐらいあるのではと推計しています。
    そこは重点的にやっているつもりなのですが、もしかするとやり方が悪いのかもしれません。少しその辺考え方を心新たにしてやっていければいいかなと思っています。
    (全国牛乳容器環境協議会・後藤常務理事より回答)

    そこのところの難しさについては先ほどもお話したのですが、自治体によって分別の仕方が全然違うということで、一括で皆さんこうやってくださいと言えないところが非常に難しいところです。自治体に行ってここの自治体はこうなっているけど、これはこうやってくださいね、ああやってくださいねとやっていかないと、正しい分別の仕方が伝わっていきません。そこは活動としてもかなり難しいなと思っています。
  • 質疑応答
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