第94回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

各種容器リサイクルの状況

では実際に、日本で容器包装はどのくらいリサイクルされているのかというのが上の表になります。
容器包装については、段ボール・ガラスびん・アルミ缶・スチール缶・ペットボトル・プラスチック・飲料用紙容器・紙製容器包装の8素材あり、それぞれにリサイクル協議会を作っており、それらの協会でリサイクルの活動や状況調査をやっていますが、一番右端にあるのが2016年度の日本での実績です。アルミ缶・スチール缶・段ボールは90%を超えていますし、ペットボトルは83.9%、プラスチックは46.6%、飲料用紙容器が44.3%、紙製容器包装が25.1%で、比較的高いと思っています。先ほどの「プラスチックのリサイクルを55%に」を考えると、ここで言うとペットボトルとプラスチック製容器になりますが、55%という目標は難しい数字ではないと思います。

循環型社会を形成するための法体系

こういった状況の中、日本はこれまでどういう容器包装の法律で、どういう施策を採ってきたかについてお話しします。
それが容器包装リサイクル法で、平成12年から始まった法律です。この法律に基づいて容器包装のリサイクルを進めようということで取り組んでいます。
容器包装リサイクル法の位置付けとして容器包装リサイクル法に至るまでの法体系をご紹介しますが、一番上が「環境基本法」、その下に「循環型社会形成推進基本法」というのがあります。これが基本的な枠組みとなり、ここで3Rの原則(リデュース・リユース・リサイクル)、リデュースが最優先ということ、拡大生産者責任・排出者責任というものを決めています。
この下にあるのが「廃棄物処理法」と「資源有効利用促進法」で、「廃棄物処理法」は衛生的なごみの処理の仕方について決めています。「資源有効利用促進法」は、リサイクルを推進しようということを定めており、製品の種類によって個別のリサイクル法があります。
容器包装リサイクル法はこの中の一つです。平成7年12月に試行、平成12年4月に完全施行、直近では平成25年から28年の3年間を掛けて見直しの議論が行われました。

拡大生産者責任

先ほど「循環型社会形成推進基本法」のところでもお話ししましたが、容器包装のリサイクルについての責任がどこにあるのかについては「拡大生産者責任」が原則となっています。これはOECDが提唱したもので、生産者は生産した製品が使用され廃棄された後においても、当該製品の適正なリサイクルや処分について一定の責任を負うという考え方です。通常、メーカーからお客様に物を売った時点で、物の所有権はお客様に移っていますので、そこから先はお客様の自由だと思いがちですが、そうではなくて、お客様が使ってその容器を捨てようというところについてもメーカーがある程度一定の責任を負うのだという考え方です。
この責任の負い方には、「物理的な責任」と「経済的・財政的責任」というのがあります。「物理的な責任」は回収をちゃんとやるということ、「経済的・財政的責任」はそのリサイクルに掛かる費用についてはメーカーの責任ということで、これが「拡大生産者責任」の考え方となっています。
実際にメーカーは、環境に配慮して設計の段階でリサイクルしやすい容器にしようとか、何で作られているか素材が分かるように識別マークを付けたりとか、リサイクルの費用をメーカーが負担しながら、拡大生産者責任を果たしているのが今の状況です。

容器包装リサイクル法で定める役割分担

この容器包装リサイクル法の仕組みですが「特定事業者」が製品を売っているメーカーにあたり、容器包装リサイクルは反時計回りで流れます。
モノは消費者に行って、消費者は市町村に使った後の容器を分別して出し、市町村はそれをリサイクル業者に出して、リサイクルを依頼します。
お金の流れはまた別にあって、市町村が集めてそれをリサイクル業者に渡し、その時にリサイクル業者からリサイクル費用を請求されるのですが、それを特定事業者である我々メーカーが指定法人を介してリサイクル業者に支払うという流れになっています。
先ほどの拡大生産者責任ということからすると、リサイクルのループ全体を特定事業者が負うべきということも考えられますが、実際にこのループを回すためには、消費者に分別排出をしてもらわなければいけませんし、市町村に分別収集をしてもらわなければ成り立ちません。
消費者の役割と市町村にはそれぞれ役割が決められていて、消費者は分別してごみを排出する、市町村は分別収集をするということが法律で定められています。ただ、アルミ缶・スチール缶・紙パック・段ボールというのは、この容器包装リサイクル法ができる以前から「資源物」とされており、リサイクル業者へ持っていくと価値があるものだと買い取ってもらう仕組みが出来ていましたので、わざわざこの法律で規制しなくても自動的にリサイクルループが回るだろうということで、容器包装リサイクル法では費用負担の対象外とされています。

容器包装リサイクル法再商品化義務指定品目

基本的にリサイクル業者からお金を請求されるものについては義務があるということで、ガラスびん・ペットボトル・紙・プラスチックは義務化と決められていましたが、最近ではペットボトル・紙・ガラスびんもかなりの部分が有価で引き取られるようになっており、この枠がなくても、もしかしたら回るのではないかと言われ始めています。

容器包装リサイクル法再商品委託単価

実際にどのくらいの単価かというと、メーカーがこの紙の容器、ガラスの容器、プラの容器として何kg分販売しているということを税金と同じように申告をして、それについてお金を支払うことになります。その時のkgあたりの単価がガラス・ペットボトル・紙容器は数円~10円以下、プラスチックだけが約28円となっています。中味が飲料なのか食料なのか洗剤なのかで計算が違ってきますが、これは食料品の例として挙げています。それを取ってみても、プラスチック容器のリサイクル料金は突出して高いということが分かるかと思います。

容器包装リサイクル法の流れ

上の図がお金の流れです。「特定事業者」(メーカー)から、日本容器包装リサイクル協会を通して協会の費用が差し引かれた383億円が「再商品化事業者」(リサイクル業者)に支払われます。
もう一つは「拠出金」で、市町村の努力があってより綺麗に分別されているということで、市町村にもお金が行くようにしようということで25億円ぐらい回っています。
あとはペットボトル・紙などは有償で市町村が集めてリサイクルするのですが、逆にこちらのリサイクル業者からもらえる分は、ぐるっと回って80億ぐらい市町村に戻る仕組みになっています。我々はこれと合わせて400億円ぐらい業界全体で払っていることになります。

1 2 3 4 5 6 7