第92回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

平成19年に、牛舎が古くなったため、借金して牛舎を移転し、現在の規模になった。実際にどの様に牛を飼い、今の牛舎がどんな感じなのかビデオで見ていただく。牛のお産のシーンもある。

牛舎の様子と、牛の出産

アメリカから輸入したログハウスで、売店がある。とても急峻な山で、猫の額ほどの面積だが、牛が外に自由に出て放牧ができるようになっている。牛を縛って飼っていなくて、みな自由で、朝6時になると、搾乳のところに集まってくる。

ミルキングパーラーの中に、一段低いところがあり、そこで待っていると牛が歩いてきてくれる。これミルキングパーラー方式と呼ぶ。牛は1日2回搾乳し、優秀な牛は自分から入ってきて、前に詰めて搾ってもらう。搾乳の前に乳頭を消毒し、ディッピング呼ぶが、イソジンの様な成分で乳頭をきれいにし、刺激する。刺激により、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが脳から出て、徐々に乳を出す感じになる。乳頭をペーパータオルできれいに拭いて、ミルカーを付ける。

牛の乳頭は4本なので、4つミルカーを付ける。搾乳はあっという間に終わる。大体5分から長い牛でも7分から8分ぐらいで終わる。6頭ごとに終わり、前の扉を開けると牛が出ていく。後ろの扉を開けると次の6頭が入ってくる。搾乳をするためには、牛がお産をしなければならないが、ビデオに撮ってある。牛もベテランになると、人間にブラッシングをしてもらうとか、お産の前に優しくしてもらうことは当たり前だと思っているのではないかと思う。

牛は繋がずに、人間が寄っていって、背中をかいてあげると静かにそこで待っている。ベッドにはおがくずを敷き詰めてあり、自由に寝ている。

日本では、牛は、98%ぐらいが人工授精で生まれるので、人工授精をした日が分かると、出産予定日が分かる。出産予定日が近付いてくると、牛の様子を見る。この撮影をするために2晩産むかなと思って待っていたが、なかなか産んでくれない。ついに朝方出産が始まったが、いつもと違う感じがしたので、手を入れると牛の足に触れる。子牛の前足か後ろ足かが分かる。逆子をそのまま自然分娩で待っていると、先にへその緒が切れて、窒息死する場合があるため、人間が介助することになる。昔は、ロープを付けて何人もで引っ張ったが、今はとても良い機械があり、1人で分娩の介助ができる。
デンマーク製の道具で、牛の足にチェーンを付けて、人間が1人でお産の介助ができる。力任せに引っ張るのではなくて、母牛が息むのと同時に引っ張ってあげる。呼吸ができるかをまず一番先に見てあげる。

牧場によっても違うが、うちの牧場では生まれてから24時間親と子は一緒にいる。誰が教えるわけでもないが、心臓から遠いところから心臓に向かってペロペロなめてくれる。牛は、分娩後30分とか40分ぐらいで立とうとして一生懸命立つ努力をする。
あまり親と一緒にしておくのはかえってかわいそうだという話もあり、うちは24時間一緒にするが、かなりの酪農家では生まれるとすぐに親と子を分ける。一緒にいる時間が1時間でも長ければ長いほど、離した時のストレスが大きいと思われる。産んだらすぐに離してあげた方がいいという酪農家の人もいて、色々な考え方がある。

牛は群れで生きる動物なので、生まれてすぐに立てないと群れから置いていかれる。放牧しているところでは、外で生まれて、立てないとすぐにカラスにやられる。それで、すぐに立たせて後を付いていくことになる。目はすぐには見えないと思う。だから鳴き声とか親がなめてくれるとかで感じる。

牛ってどんな牛でも乳を出すんだよねという消費者の方って結構多い。しかし、命懸けで母親がお産して、それで子牛を育てるために乳を出すということを、この様なビデオを見ると実感も湧くかなということで、学校に出向くとこのビデオを子供達に見てもらっている。

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