第90回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

新規発症の原因食物

新規発症の原因物質だが、卵・牛乳・小麦というのは、全体の新規発症が1,700人である。2,900人のうちの1,700人が新規発症で、そのうちの半分は0歳である。0歳代に食物アレルギーは基本的に発症する。1歳の時点で卵・牛乳、2歳から3歳では卵が新規発症だが、気になるのは、1歳で2番目に魚卵とか、2歳から3歳で魚卵が原因物質として出てくる。これはイクラが主な原因である。ピーナッツも新規発症で1~3歳、4~6歳で出てくる。残りは木の実や果物。4~6歳は果物が多く、7~19歳は甲殻類・果物で0歳と小学生以上とでは相当原因となるものが違う。

誤食の原因食物

0歳、1歳、2~3歳、4歳~6歳の誤食は1番が卵で2番が牛乳である。小麦が3番目に多いが、4番にピーナッツの誤食が上がってくる。

原因食物別ショック発症率

原因食物別のショック発症率では、小麦は食物依存性運動誘発アナフィラキシーというタイプもあり、小麦は結構ショックの誘発リスクが高い。そば、木の実、甲殻類、ピーナッツが続く。卵は比較的数は多いが、卵に比べると牛乳は少し重くなりやすい可能性がある。

加工食品のアレルギー表示

加工食品のアレルギー表示について

加工食品のアレルギー表示は2001年に法律ができ、2002年から実際に始まり、日本では15年位の歴史がある。表示義務のある7品目は、卵・牛乳・小麦・エビ・カニ・ピーナッツ・そばである。少しでも入っていたら表示をしなければいけないことになっている。残りの品目は、表示の推奨で表示義務はない。卵・牛乳・小麦は子どもに非常に多くて誤食の原因にもなり、ピーナッツやそばは大人にも多く、アナフィラキシーの原因にもなるということで、2001年当時に義務表示になった。エビとカニは後から義務化された。

表示の義務がないもの

法律が決められる前は、原材料における割合が5%未満のものはJAS法で表示しなくても良いことになっていた。カレールーの中にはピーナッツバターが入っていて、5%未満だと食品表示には表示されない。ピーナッツアレルギーの人がカレールーを摂りアナフィラキシーを起こして病院に運ばれるようなことが、2001年より前はあった。日本が世界に先駆けて義務表示をしていて、加工食品に数ppmでも入っていたら、表示しなければいけないとしている。症状が出やすいというものではなくて、患者の頻度が高いということである。表示の義務がないものもあり、外食や量り売りされた総菜や中食では表示義務がない。外食に行って症状が出ることもよくある。

加工食品のアレルギー表示について

新しい食品表示制度

加工食品のアレルギー表示は、昔は乳関係が紛らわしかった。代替表記が認められていて、特定加工食品は、乳に関する牛乳・乳製品の表記はとても複雑だった。今度、新しい食品表示制度が平成27年の4月1日から施行され、5年間の猶予期間だが、個別表記になって、全粉乳とか乳糖とか小麦とか書いていて、特定加工食品、及びその拡大表記が廃止されより見やすくなったのではないかと思う。

注意喚起表示について

注意喚起表示は、コンタミネーションと言い、原材料には使っていないが、意図せず入る場合に記載する。例えば同じ工場の中で作り、少し入っている可能性があるけど、表示をしなければいけない義務までは行っていないという時に、注意喚起表示というのがある。同じ工場で○○を含む製品を作っている。機械だとラインを変えて違うものを作ったりすることが、食品会社ではよくある。

文部科学省 今後の学校給食における食物アレルギー対応について最終報告(平成26年3月26日)

学校におけるアレルギー疾患対応資料

調布の学校給食の事故を受けて、平成26年3月26日に文部科学省から、今後の学校給食における食物アレルギーの対応についての最終報告が出されている。平成27年3月末に全国に資料を配った。文部科学省のサイトの中にある「学校給食における食物アレルギー対応」についてというホームページにアクセスすると出てくる。このホームページには映像資料で、例えばエピペンの正しい使い方、救急要請のポイントをミニドラマで示している。適切にエピペンを使えなかった例とか、どこが間違っていたかとか、ドラマ形式で解説している。学校給食における食物アレルギー対応指針も文部科学省で作成している。

給食での食物アレルギー対応の考え方

今できるだけ原因物質を摂らせようと考えて患者に指導しているが、学校給食で大量調理する場合は、安全に食を提供することが第一優先である。子供は風邪をひいたり、運動したりで、アレルギーの症状が出やすくなることがよくあるので、学校では完全に大丈夫になってから解除するというのが、学校側が給食を提供するためのルールにしてある。

生活管理指導票(アレルギー疾患用)
<財団法人日本学校保健会>学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)はこちら
<厚生労働省>保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表はこちら

家ではできるだけ摂らせていこうと実践しているが、学校や保育園で給食を出す時には、リスクマネージメント、つまり安全性を考えること、給食を提供する立場の方になって考えることを、ガイドラインでは書いてある。保育所や幼稚園・学校では、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」があり、どういうアレルギーがあって、どういう理由で食物を避けているのかということまできちんと書くようになっている。

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