第88回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

身長の推移、小学校1年生(男女同じ)

さっきも話しましたが、身長の推移というのは男女差は全くありません。これは男子の成績ですが、実は女子も男子も小学校1年の時は同じなんです。昭和14年に文部省で座高調査を始めていますが、戦争中は中断していて、昭和24年から再開されました。昭和20年を基準にして年ごとにどれだけ伸びていったかを示していますが、当時の身長は、どんどん伸びたぶん脚の長さも伸びており、身長差が生まれた大半は実は脚が長くなったということなのです。これが戦前と非常に違うことなのです。ですから、これが座高差ということになるわけですが、身長の伸びの大体6割以上が実は脚が長くなったことによって起こったということが分かります。
それともう一つは平成元年頃。この頃から現在もずっともう伸びていないのです。これは平成21年までしか書いていませんが、その後もほとんど横ばいなのです。これは何かというと、実は食事の変化というのはこのあたりでまた変わっているのです。要するに、この間に食事というのはどんどん栄養状態が良くなっていきます。ところが、ここからは変わらないのですね。しかもこれ、見てください。もう毎年上がっています。これは何かというと年々栄養状態が改善されていったということなのです。急に改善なんかされていなかった。だからお金持ちになって、少しゆとりが出て、いいものを食べたくなる、それをこれは表しているわけです。
それでここで成長が止まるわけですが、この時代は実は何かというと、ここにバブル景気があったのですね。それから実は収入が全然増えていないのです。ですから、収入が増える。食生活が良くなる。収入が増えなくなる。食生活が変わらない。これを身長が非常によく表しております。

身長の推移、高校3年生

これは高校3年生の身長の推移ですが、これも同じです。この時からほとんど、日本人の平均身長は伸びておりません。高校3年生というと、それ以上は伸びないのです。ですから、平均身長なのです。ここで分かることは、ちょうどさっきお話をした平成元年以降、全く身長が伸びていない。それまではやはり急激だったのですね。ですから、ここでも栄養イコール経済。これによって身長の伸びが規定されたのです。しかも今はもう伸びていない。日本人の平均身長というのは、小学校1年の時にグッと伸びたので、ここでグッと伸びたのですが、小学校1年生も高校3年生も、栄養状態が一定になるともうそこからの成長はない。これは非常にはっきりしているわけです。

脚長の割合(脚長/身長)

これを見るとまた面白いことが分かります。身長のうちで脚の長さが何%を占めるかということを表したグラフです。こちらは男子、こちらは女子です。これは何かというと、身長に対する脚の長さです。どんどん長くなる。これは全部脚の長さが長くなったことによって身長が伸びたということが分かります。それで大体中学2年ぐらいでピークに達します。この時期が一番脚の長さが長いのですね。一方、女子ではさきほど言いましたが卵巣の始まりが小学校6年ぐらいとなっています。それが始まるともう脚の伸びは止まってしまいます。つまり脚が長くなれないのですね。
そしてこれは非常に注目すべきことなのですが、男子は中学から高校3年までというのは実はどんどん下がってくるのです。脚の伸びというのはここまでのところで終わってしまうのですが、いわゆる座高ですね。これが伸びるのです。ですからこれが身長にプラスされます。ところが、女子はほとんど伸びないのです。もうほとんど変わらない。つまり脚の長さも座高もほとんど変わらないということがこれから分かります。この傾向というのは実は戦後生まれも平成生まれも、女子では同じで傾向は全く変わりません。ですからこれ、一般的な傾向として考えていいわけです。こんなことから、こんなふうに脚が長くなるというのは、どう考えても栄養としか考えられないと。

全てが身長と体重に反映された

簡単にまとめますと、戦後しばらくというのは昭和30年までで、江戸時代と同じ食事内容であったということが分かります。また昭和30年頃から栄養の質と量が段階的に改善されるということが分かります。小学校1年生で8cm高くなりました。小学1年生というのは、給食も経験しておりませんし、買い食いという習慣もありません。彼らが食べたのは、実は家庭で食べた食事だけです。そうすると家庭の栄養状態の改善が実は小学1年生の身長に表れたということになります。これ全部家庭の栄養なのですね。それがどんどん良くなって改善していくわけです。これ小学校1年生が一番正確に表しているわけです。

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