第87回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

食品表示一元化検討会ということで、今申し上げたように消費者施策の基本は消費者保護であったが、平成16年、消費者基本法に法律名を改正して、消費者の権利の尊重、それから自立の支援ということになったということで、先程の自主的・合理的な選択というのはもちろんあるわけですが、やはり何が食品表示で優先されるかという優先順位だと思うのですが、食品の安全性を確保するために重要な機能を果たしているということです。それから、安全性に関する情報を最優先として、商品選択上の判断に影響を及ぼす重要な情報が提供されることと位置付けるということになっています。それを受けて、表示というのは最初にお話しましたが、いろいろな観点からの受け取り方があって、必ずしも全ての消費者が同じ表示を見ているわけではないということです。ただ、安全性に関するものは、それはもし間違っていたりすると、アレルギー表示ではないですが、重篤なことが起こるということであれば、非常に重要視しなければいけないと、優先順位を考えましょうということだと思います。

食品表示一元化検討会(平成24年8月)

それを受けて平成25年に食品表示法が制定されました。先程の基本的認識ということで、食品を摂取する際の安全性の確保と自主的・合理的な食品選択機会の確保ということになっています。それから、法律には表示内容を規定していなくて、表示基準の策定に必要な事項を規定して、一般消費者の利益増進を図るとともに、国民の健康保護・増進、この辺が厚生労働省由来のところです。それから食品の生産・流通の円滑化、食品の生産の振興に寄与するということで、これは農林水産省由来の目的ということで、二つ合わさったような形で目的が規定されています。従って、それぞれ要求される表示、必要な表示事項というのは、優先順位もあるでしょうし、安全性もあるでしょうし、健康増進というのもあるでしょうし、あるいは生産の振興もあるということで、見方を変えていく必要があります。全部通り一辺倒で理解しようとすると、なかなか理解がしにくいのかなと思います。

食品表示法(平成25年法律第70号)

食品表示法の基本理念として、消費者基本法の第2条1項に規定する消費者施策の一環として同じことが書かれています。ただ、最後の方でお話をしますが、原料原産地の表示検討でも言われていますが、食品の生産・取引、消費の現況、将来の見通しということで、小規模事業者の活動に及ぼす影響、事業者間の公正な競争に配慮するということで、消費者の権利や自立の支援というのももちろん大切ですが、生産の状況、流通事業者の負担とか、いろいろなことがあるということなので、そういうことを考えましょうということで、実際問題としては栄養表示基準についても、義務化されるということなのですが、非常に小規模の事業者に対してはそこを除外したとか、そのようなことで手当てされています。ただ、安全性にかかわることは除外されてないということです。

食品表示法

こちらは食品表示事項として、義務表示と任意表示があります。それも食品表示基準の中で、入り組んで決められているので、なかなか理解するのが難しいのですが。その辺の考え方が書いてありまして、もし後で食品表示基準をごらんになった時にみていただければいいかと思うのですが、食品の安全性確保に関する情報が確実に提供されるということです。だから、先程私が申し上げたように、最初はやはり取り締まり、例えば何か事件が起こったときに、誰が製造したのか、そういう元をたどっていくような情報が必要だったわけですが、今では消費者が食品の安全性確保に関する情報の提供を受けるということが重要であるとなっています。安全性確保にかかわらないことについては、消費者にとって重要性は異なるということです。表示の義務付けですが、規模の大小を問わず全ての事業者が実行可能なものであるか否か検討が必要ということです。これは当然ですが、非常に難しいことです。さらに、事業者の実行可能性に影響を及ぼすようなコストの増加、それから監視のコスト、社会コストなどを総合的に勘案した上で、消費者にとってメリット・デメリットをバランスさせていくことが重要だと。その通りなのですが、義務表示を考える上で非常に難しいことだなと思います。パッケージに表示することは自ら限界があるわけです。そうすると文字を小さくすればいいのか、パッケージ以外のもので情報提供したらいいのか。でもそれは具体的には何なのか、あるいは、インターネットで情報提供すればいいのかと。では、どれだけの人が買い物に行ってインターネットを見るのだと。今はスマホがあるから見ようと思えば見られるかもしれませんけど、そういうことがって本当に現実的なのかどうか、いろいろ考えなくてはいけないということだと思いますが非常に難しいと思います。

義務表示事項の範囲

食品表示法に基づいて、食品表示基準が決められておりまして、その中でここに基本的なものしか書いていないですが、いわゆる表示の方法ですか、この枠内表示でどういう事項を書かなければいけないのか。そして、栄養成分表示についても、義務化されたものがありますので、そういう部分についてはこういう形で書いてくださいということで、ナトリウムという記載があったと思うのですが、新しい基準では食塩相当量という記載になっております。
実際の製品をお示しできれば良かったのですが、それができなくて、乳協の会員に協力をいただいて、新しい表示があるのかということで聞きましたが、まだほとんどのものが新しい表示に移行していないと思います。猶予期間が5年間ありますので、平成32年だったと思いますが、それまでに順番に新しい表示に移行していくということになっています。

表示の方式(食品表示基準)

では、食品表示制度における新たな適用ということで、今までなかったものがあります。これもあまり詳しく説明している時間がないので申し訳ないですが、機能性表示食品。これもだいぶ世の中に出回っていますのでご存じかと思います。これは食品表示基準が平成27年4月からできたと同時に実施をしている制度で機能性表示については、全部新表示ですので、それを見てみれば新しい表示がどんなものか分かるということです。その他、以前から問題になっている、例えばアレルゲン、アレルギー物質の取り扱いについて、先程のようにパッケージがあるものはいいのですが、いわゆる中食や外食でどう取り扱ったらいいのか。これも検討はされているのですが、まだ結論は出ていないということです。それから、加工食品の原料原産地表示ということで今検討中です。これも新聞等で報道されていますのでご存じかと思います。

食品表示制度における新たな適用範囲

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