第87回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

それからもう一つ、日付表示ですが、これはもう最近のことですので、ご承知だと思います。これもきっかけは輸入食品の関係で、外国から要請されたということだと思います。ただ、その先ほどの昭和からの連綿とした表示の流れで、製造年月日でないと信用できないとかいろいろありましたが、そのことによって過度な鮮度追求と言うか、例えば牛乳だったら日付表示のある日に売っているとか、夜中から作業をしているという。当時Dゼロっていうのがありましたが、それは良くない問題であろうと思います。もちろん過当競争になるのも良くないし、環境上も良くないのではないかと。適正な流通期間を取って、適正な販売期間、あるいは実際に消費されるまでどのぐらい必要なのかというのが当然食品によってそれぞれあるわけですから、その十分な販売期間で捨てたり余ることなく消費しましょうというのが一番だと思います。その辺が当時、なかなか理解が難しかったようです。今では当たり前のことだと思うのですが、平成6年に期限表示ということで、製造又は加工の年月日に代えて、定められた方法によって保存することを前提として、その期限年月日だけではなくて、併せて保存の方法を表示することにされたということです。
その後に平成15年ですけれども、これは後でもまた出てきますが、食品衛生法とJAS法というのがありまして、その中で表現、同じように表示の規定があったわけですが、表現が違って分かりにくいということで、消費期限、先ほど申し上げた品質保持期限という言葉を使っていたのですが、食品衛生法とJAS法で定義を合わせるということと、食品衛生法で使っていた品質保持期限という言葉を消費期限に変えて、混乱をしないようにしましたということです。そういった表示の一元化というような、そういった流れの中からこうしたことが出てきて、まだこの時代、なかなかうまく行きそうで行かないようなところでしたので、この後に現在の消費者庁に至る流れが出てくるわけです。

食品衛生法に基づく食品等の日付表示

平成15年当時の乳等省令に規定された表示事項です。今も同様ですが、現在、表示行政の部分が全部消費者庁に移ってしまいましたが、厚労省の当時の内容ということです。これはご存じの通りで、お手元にあるものとあまり変わっていないと思いますが、種類別○○、常温保存可能品であれば、それが可能である旨。それから殺菌の温度・時間。期限表示、それから主要成分・主要原料・主要混合物。アレルギー物質を含む旨。それから保存の方法。添加物を含む旨。それから製造所所在地、製造業者ということで、こういったことが基本的な表示事項ということです。

乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に基づく表示指導要領(厚労省)

今まで食品衛生法の表示事項の変遷でしたが、あとはいろいろあるのですが、あまり詳しい分野ではないということと、事項が多いのでまとめて話をしたいということです。一つは先ほども申し上げた農林水産省でやっていた農林物資規格法、いわゆるJASを作っていたということで、昔は原料牛乳であるとか、乳製品についても日本農林規格がありました。過去の時代ですので、当時あまり品質が良くなかったこともあって、こういう規格を定めて品質の水準を上げることが目的であったと思います。
次に、同じ頃まず栄養改善法という法律ができまして、その中で特殊栄養食品ということで、非常に懐かしい響きですが、当時は栄養強化食品とか、ビタミン等を添加したものがあったと思います。その後、昭和57年に今でもある乳児用調製粉乳の表示許可。それから平成3年に、これは特保と言われていますが、特定保健用食品の表示許可制度ができています。その後、これもご存じだと思いますが、平成8年に栄養成分表示制度。当初は任意の制度であったわけなのですが、栄養改善法も制定当時の昭和20年代から比べればどんどん時代が進むに従って内容が変わり、平成14年に健康増進法が制定されましたが、その食品の規定部分については受け継がれているということで、栄養改善法は廃止されたという流れになって、これがまた後で出てくる食品表示法の一部になっています。

乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に基づく表示指導要領(厚労省)

もう一つ、農林物資規格法の一部改正ということで、これは昭和40年代の消費者保護やその前の昭和30年代にもいろいろな例えばこの下に出てくるような不当表示というようないろいろな事件があったこともあったと思いますがけれども、農林物資の規格化、それから品質表示の適正化に関する法律ということで、JAS法ということに変更されて、最初はいわゆるJASが設定されたものに、その品質表示をするという方法であったわけですが、平成13年からは、加工食品品質表示基準を義務化したということで、これも今の食品表示法の一つの源泉となっているものです。
それから不当景品類及び不当表示防止法。景品表示法と言ったりしますが、これは食品だけではなくて、あらゆる商品取引と言いますか、消費者に優良誤認をさせるものを取り締まります。これは食品だけではないので、なかなか先ほど言っていた取り締まりがなかなか難しいのですが、牛乳・乳製品についても過去にいろいろなことがあったとのことです。昭和43年に牛乳・加工乳・乳飲料の表示に関する公正競争規約が制定され、今もずっと続いているものです。その他にも、ナチュラルチーズ・プロセスチーズ・チーズフード、アイスクリームや発酵乳乳酸菌飲料・殺菌乳酸菌飲料について公正取引規約を制定して、公正取引規約ですから取り締まりと言うよりは、事業者の自主的な対応を求めるものですね。自主的に法律を遵守しましょうと、今で言うとなかなか日本語に訳しにくいコンプライアンスという言葉がありますが、そういったような形でこの公正取引規約というものを考えればいいと思います。

乳及び乳製品の成分規格等に関する省令に基づく表示指導要領(厚労省)

その次が、最初消費者保護基本法という名前であったと思います。昭和43年当時です。その後平成16年に改正されて消費者基本法という名前になったということです。保護をしなくてもいいだろうということだと思います。ただ、その中に商品及び役務について消費者の自主的・合理的な選択の機会の確保とあります。これは食品表示だけではないと思いますが、これは一つ大きな考え方になっているということと、もう一つは消費者の自立を支援することを基本とするということで、それまでの消費者保護から、こういった合理的な選択ということと、自立を支援するという形に変わったということだと思います。この辺までは前回のお話でも出てきたかもしれません。

消費者基本法(昭和43年法律第78号)

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