第83回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

TPP交渉における乳製品(その他乳製品)分野の合意内容
資料7:TPP交渉における乳製品(その他乳製品)分野の合意内容

資料7上段の図のご説明です。
TPP交渉における乳製品(その他の乳製品)分野の合意内容です。全粉乳、加糖れん乳、無糖れん乳は新たな関税割当を合意しております。PEF(調整食用脂=バター70%と植物油30%程混ぜてある調製品)は現在でも関税割当数量があるため、数量ではなく税率を無くすことになります。その他乳製品枠の数量を増やさず枠内の税率を徐々に削減または撤廃することになりました。

以上が乳製品分野のTPP合意内容です。このことについて、生産者からは生産への影響の度合についてお問合せを頂戴しております。現在、内閣官房でTPP合意内容の影響度について試算することになっておりますが、時間がかかる情況で、今は合意内容の事実関係のみをご説明しているところです。ただし、脱脂粉乳やバターは現在追加で輸入している量から比べると今回の合意内容の量は少ないため、直ぐに国内生産に大きな影響があるとは思われません。一方、消費者の方の影響度合も詳細な検討を実施しております。バターに関してはTPP枠輸入分が確実に増えることになりますので、昨今の品薄状態は解消される方向に進むのかなと思います。

チーズはブルーチーズのように関税が削減されますので消費者にとって買いやすくなると思います。チェダー、ゴーダにしても直接消費者にとっては長い目でみると関税が撤廃されることになりますので、還元されていくと思います。シュレッドチーズ、粉チーズは消費者にとってメリットが出てくると思っています。

TPP協定は大筋合意されたわけですが、いつの段階で発効するのかと言いますと、今各国で条文を調整しているところで、それが終わると署名の手続きをします。その後、各国での国内手続きとなります。日本では国会で承認されなければなりません。TPP加盟12カ国全てで終了した時点から60日後に発効することになります。
2年経過しても手続きが終了しなかった場合は6カ国且つ12カ国のGDPで85%を超える国が批准の手続きを終えて60日後に発効します。今のところ明確な時期についてはわかりません。

今回のTPP大筋合意で農産品の中には大幅に関税が削減されたり、撤廃となる分野があります。生産者は今後生産が維持できるかといった大きな不安を抱かれています。このことについて政府全体としてTPP対策本部を立ち上げました。今後、農業分野にとってどのような対策が必要かを11月中にも対策の大綱を作成する予定です。牛乳乳製品については国内生産で需要がまかなえることが基本だと思っておりますので国内の生乳がきちんと再生産ができるような対策が必要だと考えております。

バターの安定供給について
資料8:バターの安定供給について

この機会を利用させていただき「バターの安定供給」のお話を致します。
資料8ですが、9月25日に農水省、Jミルクという業界団体が発表したバターの需給見通しです。今年度はバターのさらなる追加輸入は行わないと判断したプレスリリースです。

バターの販売重量(POSデータ)
資料9:バターの販売重量(POSデータ)

資料9をご覧下さい。これはバターの販売重量(POSデータ)のグラフです。赤線が平成26年度のバターの販売重量で青線が平成25年度のもので、時系列で示したものです。これを見ますと10/12から12/7の期間ですが、特に平成26年度は販売が非常に多くなっています。昨年の今頃ですが、新聞等でバターが不足しているのではないかといった報道がありました。それ以降消費が増えました。併せて、業者の方が業務用バターの品薄により家庭用バターを量販店等に購入しに行ったのではないかと推測されました。その原因として、一昨年の夏が暑く生乳生産が思わしくなく春先以降まで生産が不安定でした。そのためバターに使用する生乳が不足したことで生産量が減っておりました。その状況の中で販売が伸びていったのです。

家計消費によりますとバターを1人が1年間に食べる量は平成26年で159g、平成25年では171gです。200gのバター1箱を1人が1年間では食べきれていません。4人家族でも年間3箱程度の消費です。バター不足の報道から1箱余分に購入したり、業者が家庭用を購入した購買行動によって販売重量が増える消費となっています。
一方、グラフで年明け時期になると平成26年度より平成25年度のほうが販売重量が多くなっています。家庭内で在庫となっているのではないでしょうか。
去年を振り返ってみますと、在庫の増減がなく年間を通すと不足な状態は無かったと言えるのですが、一定期間で区切って販売重量を見ると非常に売れた時期と売れなかった時期があります。

このことから、国や業界の反省点として消費者や業者の方に状況をご説明していたと思っていましたが、その努力が足りなかったと思っております。全体ではバターは足りていますとか、商品は何時入荷しますといった情報をきちんとご提供すべきだったということが大きな反省点でございます。
昨年は追加輸入をしたわけですが、実際にバターが輸入されたのが11月末でしたのでクリスマス時期の最需要期に間に合わなかったのではといったご指摘がありました。併せて、輸入しているバターは25kgの大きなもので、ケーキや菓子店といった業者の方にとって大きすぎて使いづらいということもあり、輸入する形態も考えた方がよいといったことが去年からの反省でございます。

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