第74回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

14. 質疑応答

  • 質疑応答
Q1.この内容は今国会で成立し、2年間のゆとりをもって施行する。とのことですが、成立の可能性、具体的には2015年に施行するということでよろしいですか。
A1.
  • 4月5日に食品表示法案を閣議決定していただきました。法案は消費者庁が出すのですが、法律を作る立法府は国会にありますから、議論は国会でしていただくことになります。もめるような内容がある場合は閣議決定していただけませんので、その意味では閣議決定して国会に出していただいたことになります。今後、国会で法案が議論されるのですが、本会議で消費者庁の大臣が趣旨の説明をし、これに対し何人かの政党の代表の方が質問をし、さらにその後一回程度くり返して議論され本会議が終わりとなります。更なる議論は消費者問題特別委員会というところで議論されます。それがいつ行われるかは分かりませんが、5月中にやっていただきたいという希望を持っています。今国会で通れば、今の予定で行くと2年後、つまり2015年に施行するということになります。この間に色々な課題がありますが、表示基準を作っていくことになります。
Q2.JAS法と食品衛生法と健康増進法とあって、遺伝子組換えがJAS法と食品衛生法の両方にかかっているのですが、JAS法だけではなかったでしょうか。遺伝子組換えは安全なものしか出回らないので、食品衛生法にかかっているということは、安全に関し誤解を招く原因になっているのではないのでしょうか。
A2.
  • 遺伝子組換え食品の表示に係る規定は、平成13年に作られましたが、当初はJAS法だけに規定しようとなっていました。当時の様々な議論や国会等の審議の中で、食品衛生法にも規定が必要となって、平成13年4月の直前にJAS法の規定と同様の規定を食品衛生法の中に作った経緯にあります。そのような経過がありますので、JAS法にしか規定されてないと思われている方は多いのかもしれません。
    食品衛生法は、安全かどうかや公衆衛生上の観点で規定するので、もともとは、安全性が確認されたものだけが流通するから必要ない、との議論がなされてきました。最後に入れようとなった主な理由は、添加物表示と似ていますが、添加物表示も添加物指定され、またその使用量もその基準の範囲であれば安全性には問題ないことになりますが、使用された添加物を知りたいという方がいるのは事実であり、安全性ではなく公衆衛生上必要な表示ということになります。諸外国でも添加物表示は安全の観点ではなくても、やはり表示が必要になっています。遺伝子組換えも同じ考え方で、気になる消費者が多いのは事実であり、安全以外の観点であったとしても表示が必要と判断しています。遺伝子組換えに係る表示は、米国でもCODEXでも表示義務はないのですが、EUでは義務規定になっていますし、オーストラリア、ニュージーランドも義務規定になっています。
    食品衛生法の表示を一言で言い表すとした場合、「公衆衛生上の」というと分かりにくいので、資料では「安全」という文言を使用しておりますが、おっしゃるように確かに誤解が生じるおそれはあり、これまでも、いろいろな意見がありました。これからも引続きどのような文言にするのがいいのか必要に応じて変えていきたいと思います。
  • 質疑応答
  • 質疑応答
Q3.基本理念の中にある「消費者の権利の尊重と消費者の自立の支援を基本」、とはどのような概念でここに入っているのかお教え下さい。消費者基本法からの転用という感じは持っていたので、消費者基本法で謳われているのは理解できますが、食品表示が具体的になされていく場合、「自立の支援」ということに対する違和感と、基本理念に曖昧さを感じてしまいます。
A3.
  • もともと消費者基本法があり、その中に「消費者の権利の尊重と自立の支援」という文言があります。この法律は、もともと消費者保護基本法という名称だったのですが、当時はこの中にこのような文言はありませんでした。消費者保護基本法の平成16年の改正の時に、これからは消費者を保護する立場ではなく、消費者も権利を尊重すると共に自立するべきであり、その自立を支援していくことが必要であろうということが消費者保護基本法の議論の中で謳われ、その時に法の名称も変わり、保護が取れて、消費者基本法になりました。それ以降、消費者基本法には、消費者の権利の尊重と自立の支援はずっと謳われていて、その後作られる消費者関係の法律にかなり大きな影響を与えています。今回、消費者庁が原案を作る段階でこの消費者基本法を相当念頭に置きながら作成しており、消費者基本法の基本理念をそのままスライドさせて食品表示法案も作成しました。基本法が上にありますので、入れ込むことが重視されたということです。
Q4.インターネット販売に関し、「商品自体には表示がされているが、購入時に表示の確認ができない。」確認できなくても仕方ないとのお考えですか。今後インターネット販売の扱いは重要になってくると思いますので、期待しています。
A4.
  • 仕方ないからなのか、という議論さえできてない。今は容器包装以外の表示は基本的にはないというのが現実です。
    一元化検討会において、インターネットにも表示が必要だろうという意見がありました。インターネット表示にどの項目を表示するのか、ネット上での特性等もいろいろ研究するべきであり、今、容器包装にされている項目を全て表示するのか、名称だけでいいのか、原材料だけでいいのかなど、ネット上に相応しい表示項目を調査しつつ決めていかないと議論ができない、ということで別の場で議論が必要ということになりました。
  • 質疑応答
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Q5.義務の対象外として、ミネラルウォーター、香辛料のようなもの、また家族経営で弁当等に義務をかけるのは難しいと言われましたが、このような例に対しどの位の規定を作るかはどうなのでしょうか。
A5.
  • 栄養表示の義務化の枠から外す部分をどこに持ってくるのかは、現在全く議論はしていませんので、これからになります。2年プラス5年以降に完全施行とはいえ、時間的に余裕があるとは思っておらず、周知期間も相当取る必要を感じており、今後、できれば法施行までの間に、どこまでの範囲で義務化がかかるかを示さないといけないと思っています。
Q6.栄養表示に関し色々ご説明いただき、項目についても今後検討を行うとのことでしたが、現在任意で行っている表示項目が基本になるということでよろしいのでしょうか。あと、7年というのはかなり先のような印象を受けますが、例えば、できそうなものから先にやっていくというような方法でやるのか、全部きちんとやってからやるのか、そのへんの手法はどうなのでしょうか。
A6.
  • どの項目をさらに追加するかは議論の余地があると思いますが、基本的にはこの5項目を中心に議論がなされると思います。検討会の中では、まず2項目、例えばエネルギーとナトリウムだけを義務にしようとかのお話もありましたが、個人的には、やはり今、任意にしている5項目を中心にして、さらに加えるものがあるかどうかの検討をした方がいいのではないかと考えています。
    前回の食品表示部会で、栄養表示のことを議論しています。何を議論したかといいますと、今の表示値は、結果的にあっていればいいというやり方になっており、多くの企業の方は、分析を重ねトータルの平均値を出していますが、もちろん標準成分表等の計算値で出しているところもたくさんあります。消費者庁で、実際のスーパーで買い上げしてかなりの件数で栄養表示の数値のバラツキの検証をしました。400品くらいの検査した結果、半分くらいの商品は5項目のどれかしらで値がずれている。つまり、現在、表示値のプラスマイナス20%の範囲に収まればいいとなっていますが、20%の範囲に収めるのが難しいという現状でした。そのような中で全ての食品に義務化を進めていくためには、根拠を持った数値であれば仮にずれても違反として扱わないようにしないといけない。そのためには、「推計値です。」とか「計算値です。」とかの表示も設けることも必要ではないか、という内容を話し合ったところです。とりあえず、「推計値です。」とか「計算値です。」と書くことに関しパブコメを募集しましょうとなりました。1ヶ月意見をいただき、その意見を踏まえてもう一度食品表示部会にて「推計値です。」とか「計算値です。」と書くことの妥当性などを検討することになっています。このように、法施行を待たずとも、できることはどんどん検討し、その結果、結論が得られれば実行していく、ということになります。
  • 質疑応答
  • 質疑応答
<参加者からのコメント>

●これまでの経験から、カロリー計算の際に間違った結果でクレームが出るのは同業者からで、一般消費者からのクレームは殆どありません。栄養表示を利用者がどのように使っているかは、多様性があるとは思うものの、あまり質問が来ないということは、毎日摂っている食品数は膨大ですから、いちいちこだわっていられないのかもしれません。
あと、計算でラグが出るのは、食品成分表の何番を使ったかを表示しないと例えば同じホウレンソウでも何種類かあり、中国産でも国が大きいので地域別に4種に分かれているので、担保をはっきりさせないといけないと思います。アメリカのようにニュートリションファクトがいいかなというのが私の個人的希望です。今、糖質制限食が流行していますので、「このGI値はいくつですか。」というような質問に対しては栄養成分表示とは次元が違うので、答えるのが難しい。であれば、文部科学省の食品成分表のデータベースを国民に開放した方がいいのではないかと思います。
あと、遺伝子組換えの問題は、かなり異次元の問題だと思うので、切り離すべきだと思います。というのは、実際に遺伝子組換え食品を長年食べ続けてどうなったか、という事例が皆無です。見えないものに対する不安が増幅するので、もっと別格で格を上げて衛生法以上の問題ではないでしょうか。BSE等の問題と同じではないかと個人的には思っています。

質疑応答

●私個人はアバウトな人間ですので、食品表示に対し不満を持っています。一般の消費者にとって必要な表示があるのではないかと考えています。栄養表示を見るとコンマ以下の数字も出ていますが、実際はアバウトなものであるので、食品表示について根本的な議論をしないといけないのではないかと思っています。法律を一元化するのはいいのですが、国民に対して食品表示をどう考えるのか、どう役に立てるのかということにもっと力を尽くしていただきたいと思います。
●一元化の議論のはじめに、一体表示に関してのそもそも論の議論をやっていたと思うのですが、やっていることが消費者に伝わっていないもどかしさを感じていました。栄養表示も国際的に義務化の方向なので、日本だけないのはどうかという流れから、日本でも栄養表示くらいは義務化してもいいのではというところで落ち着いたのかと思っています。義務となると違反したときに安全とは関係ないのに処罰するのもどうか、と考えてしまいます。

質疑応答

●消費期限、賞味期限に関し、さらに議論されなければならない部分が多いのではないかと思います。特に発酵食品につきましては、年代を重ねることによって、栄養的にも違ってきますし、熟成度の違いによる旨味なども、数字では表せないものも増えてくる部分もあります。安全のためではあるのですが、それらを切り捨てて、短い期間で書かれているものが多過ぎるような気がします。漬物、唐納豆、金山寺味噌などあまりにそのものを理解しないで書かれているものが多い。それから乾物は保存のためのものなのですが、期限で捨てられていることに対し、一考を打つべきではないかという気がします。たくさんの食料品を諸外国からいただいている国があまりにも捨てることが多いのは考えものだと思います。

質疑応答

●一般消費者としては、栄養成分表示のプラスマイナス20%の範囲がある中でのコンマ以下の数字は何なのだろうという疑問が湧きました。牛乳やヨーグルトの外側を見てみますと、非常に文字が多いです。食べる時飲む時にこれらを見ていたかというと、買う時から見てなかったかと思います。今日プレゼントが届き、見るとチョコレートのお菓子のようなものらしいのですが、外側をみると「冷蔵庫には入れないでください。13~18℃の冷暗所に保存してください。」と書いてありました。そのように決められているから書きました。というような印象を受けました。どうしたらいいのか、消費者の自立というのは凄く難しいと思いました。一般的な消費者にも分かり易いように現実に即した形の表示を考えていただけたら、というのが感想です。
●いま議論されている表示は、義務表示をどうするかという話ですが、ガイドラインは必要ですが、基本的には任意で事業者の方が努力をして拡がっていくのが理想だと思います。縛ることがいいのかどうか、罰則も1億円から3億円に強化されているのも矛盾する点もあるかと思います。決して義務を拡げることを消費者が望んでいるわけではないということを含めて、より良い事業者の努力で、事業者が嫌にならない形で主体的にできるような内容を考えていただければと思います。

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