2018年乳業団体合同新年賀詞交歓会を開催

一般社団法人日本乳業協会をはじめ乳業13団体は1月9日(火)にホテルグランドパレス(東京飯田橋)で2018年乳業13団体合同新年賀詞交歓会を開催し、乳業13団体会員のほか賛助会員、関係官庁、酪農関係者など約1,100人が参集し、新年の祝賀と乳業界の発展を誓いました。
主催者を代表し一般社団法人日本乳業協会宮原道夫会長が挨拶し、次いで来賓の方々より祝辞をいただきましたので、以下に掲載いたします。

【一般社団法人日本乳業協会 宮原会長 挨拶】

一般社団法人日本乳業協会 宮原会長 挨拶

あけましておめでとうございます。日本乳業協会の会長を務めております宮原でございます。本日は年始の大変お忙しい中、新年賀詞交歓会に会員企業並びに賛助会員の皆様にかくも大勢の方々にご出席をいただき、乳業関連13団体を代表いたしまして、心からお礼申し上げます。
重ねて、日頃よりご指導をいただいております関係省庁の皆様にも多数ご出席を賜り、厚くお礼申し上げます。ご紹介申し上げますと、厚生労働省から宇都宮生活衛生・食品安全審議官様、農林水産省から大野畜産部長様、消費者庁からは東出審議官様、この他にも行政並びに関係団体から多くの皆様のご出席をいただいております。有難うございます。
さて、日本経済は個人消費に力強さを欠きながらも好調な輸出や株高に支えられて緩やかな成長を維持しております。今年も輸出の増加基調が続き、企業の設備投資増やオリンピック関連の建設需要等を背景に底堅く推移すると見られております。
酪農乳業界の足元での明るい話題は、北海道の生乳生産が夏以降、約1年振りに回復したこと、そして、今年の生乳増産を担う2歳未満の乳雌牛が増加していることが挙げられます。しかしながら、都府県においては生乳生産の減少になかなか歯止めがかからず、国内の生乳生産基盤の回復にはまだ程遠い状況です。業界として自主的な対策を講じているところではありますが国としても現在推進中の施策の実効性の向上に加え、離農に歯止めがかかり、後継牛の確保を図るための前例にとらわれない抜本的、効果的な追加対策を検討していただくようお願いいたします。

こうした中、昨年7月に大枠合意された日EU・EPAおよび11月に大筋合意されたTPP11(CPTPP)では、16年という長期間を要するとはいえ、その目玉としてチーズの関税が撤廃されることになりました。
一方、国により平成27年に策定された「酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針」では、国産ナチュラルチーズ等の需要の増加を見込んだうえでの生産の長期見通しが設定されており、これら国際協定の影響もふまえて、この基本方針に示された施策の見直しや改善等も検討いただくようお願いいたします。
今年4月からは、改正された「畜産経営の安定に関する法律」並びに「独立行政法人農畜産業振興機構法」が施行されます。今回の法改正については、乳業者としては政省令等に則して柔軟に対処していく立場と理解していますが、消費者の皆様に安全でご安心いただける牛乳乳製品を安定的に供給できるよう、生乳の量・価格・品質の3つが確実に担保される運用にご配慮をお願いいたします。
また、施行後も実態に即して改善を図り、指定団体の需給調整等の機能を実質的に維持するとともに、生産者間の公平性が確保され生産者の皆様が安心して生乳の増産になお一層ご努力いただける、すなわち、生乳生産基盤の強化につながるような制度運用を期待しています。

ここ数年、牛乳乳製品は“健康志向の高まり”や“消費者ニーズにマッチした各社の商品開発”等を背景に、その価値が再認識され消費も堅調な推移を見せています。こうした中で学校給食用牛乳での「いつもと味が違う」との異風味の指摘、また、昨年のクリスマス時期は幸い大きな混乱には至らなかったものの需要期におけるバター不足等、その原因は一義的に我々に帰するものではないにも拘らず、その伝えられ方により酪農乳業界の価値を毀損しかねない事態も生じています。

日本乳業協会として、牛乳乳製品の魅力を訴求し、さらなる普及を推進するとともに、これら業界全体の価値に関わる問題に関しては、消費者や関係の皆様に酪農乳業の現場や置かれている状況を正しくご理解ご認識いただけるよう行政当局や会員各社との連携も深めながら、食育授業や研修会等の地道な活動を強化していく所存でございます。

本年、日本乳業協会では我々を取り巻く環境変化や会員ニーズを踏まえ5つの重点課題に取り組みます。「品質及び安全性の向上による消費者の安心、信頼の確保」「牛乳乳製品の普及、啓発」「乳業事業の改善」「国際化の進展への対応」「環境・リサイクル対策の推進」の5点です。
特に、「品質と安全性の向上による消費者の安心、信頼の確保」は最重要課題の1つであり、具体的には、今年の通常国会で成立が見込まれる「HACCPの制度化」への対応を進めてまいります。既に農林水産省は、学校給食牛乳の供給事業者に対し基準Aの取り組みを必須とする方針を打ち出しています。ミルクサプライチェーンを構成する関係者の皆様には、HACCPを業界の価値をさらに高める手段と肯定的にとらえ、その対応方法を積極的に探っていただきたいと考えます。また、本日主催の乳業関連団体においては、特に小規模事業者が基準Aあるいは基準Bのどちらに取り組むかを判断する際に役立つ手引書の作成に取り組んでいく考えです。

先に触れた学校給食用牛乳の異風味の問題についても、ひとたびことが起きると、あたかも乳業工場の衛生、品質管理の不備が原因かのような報道がなされることが少なくありませんが、HACCPへの対応により業界を挙げて品質向上に取り組んでいる姿勢を明確に打ち出し、外部に積極的にアピールすることで、これらを払拭する1つの材料にもしていきたいと考えています。

迎えた2018年も課題は山積していますが、将来をしっかりと見据えたうえで、方向性を探り、課題を1つずつ解決していくことで酪農乳業界の価値をもう一段高めようではありませんか。行政当局、関係の皆様には、旧来にも増したご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。

最後になりますが、本日ご参集の皆様に幸多き1年となりますよう、ご祈念いたしまして新年賀詞交歓会の開会の挨拶とさせていただきます。本年も一年よろしくお願い申し上げます。

【厚生労働省 医薬・生活衛生局 宇都宮生活衛生・食品安全審議官 挨拶】

厚生労働省 医薬・生活衛生局 宇都宮生活衛生・食品安全審議官 挨拶

皆様、新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましては心新たに平成30年を迎えられましたことをお喜び申し上げます。年頭にあたりまして日本乳業協会をはじめ、お集まりの諸団体の皆様方には平素より食品衛生行政の推進にご理解ご協力を賜りましていますことを、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

いきなりプライベートな話をして恐縮なのですが、実は私の両親は生まれも育ちも北海道でありまして、私は千葉県で育ったのですが小さい頃は家の中の生活様式がまったく北海道でございました。例えば、ご飯にバターをつけて食べるとか、ご飯に牛乳をかけてお茶漬けのようにして食べるとか、そのように私も育ちました。ただ、幼稚園から小学校にかけて友達ができてくると他の家の子たちは、そういった食べ方をしないことがわかってきて、そういう食べ方をしなくなってきましたが、その後も牛乳をはじめ乳製品を摂取し、おかげさまで身長183cm.まで伸びました。いまはちょっと歳をとり少し縮みましたが、私が育ったのは乳製品のおかげと感謝しております。

さて、まじめな話に戻りますが、世間は食品流通のグローバル化あるいは健康意識の高まり、それから少子高齢化に伴う孤食、中食や外食の増加など、非常に食品に関するニーズが多様化しているところでございます。また、二年後に迫りましたがオリンピック・パラリンピックなど契機に、こういった食品衛生行政の衛生管理につきましても国際的な水準に合わせる、その整合性をとることが求められており、そういった様々な状況を踏まえて通常国会に食品衛生法改正法案を15年ぶりに提出しようと準備を進めているところでございます。
要素としていろいろありますが、その中でも特にHACCPにつきましては、食品衛生管理の国際標準化に関する検討会の最終とりまとめにもありますように、すべての食品事業者に対しまして一般衛生管理に加えてHACCPによる衛生管理の実施を求めることとしております。その際には、コーデックスガイドラインに基づくHACCPの7原則を要件とする基準Aを原則として守っていただきたい。しかし、なかなかそれが実施することが難しい小規模の事業者など、そういった一定の事業者や業種につきましては一般衛生管理を基本としつつ、HACCPの考え方に基づく衛生管理を実施する基準Bを設けて遵守していただくという方向で考えているところでございます。
先ほどご挨拶でもありましたが、HACCPの制度化について乳業界の皆様におかれましては、すでにその導入に取り組んでいただいており最も進んでいる業界として、むしろこれから食品衛生業界全体をリードしていただきたいと我々は考えているところでございます。
その他、乳児用液体ミルクにつきましても、最近注目が集まっているところではございますが、一部の企業におかれましては規格基準の検討に必要なデータ収集に取り組んでおられると我々承知しております。そういったデータをご提出いただければ我々としても薬食審食品衛生分科会にかけて議論いただき、そういったことを含めた手続きを進めて速やかに規格基準の設定に向けて手続きを進めていく所存ですので、引き続きよろしくお願いいたします。

最後になりますが、本年も生活衛生・食品安全行政の推進に皆様のご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げて年頭のご挨拶とさせていただきます。

【農林水産省 生産局 大野畜産部長 挨拶】

農林水産省 生産局 大野畜産部長 挨拶

新年あけましておめでとうございます。只今ご紹介賜りました畜産部長の大野でございます。平成30年乳業13団体合同新年賀詞交歓会の開催にあたりまして一言ご挨拶申し上げます。

まず、私も新年のご挨拶をこの場で行なうのは3回目となりましたが、今年もこのように盛会裏に開催されておられますこと、心からお喜び申し上げます。また、本日ご列席の皆様におかれましては、平素よりわが国の酪農乳業の振興発展にご尽力賜っておりますこと、心から敬意を表させていただきます。また、私ども畜産行政の推進にあたりまして多大なご協力ご支援を賜っておりますこと、この場をおかりして厚く御礼申し上げます。
最近の酪農乳業をめぐる情勢につきましては、先ほど宮原会長のお話の中にありましたように、生乳生産量が北海道で9月以降前年を上回って推移するという非常に明るい兆しがでてきておりますが、今年度全体を通して見れば昨年度を下回る見込みとなっております。酪農の生産基盤の強化というものが引き続き喫緊の課題となっていると考えているところです。
私どもといたしましても、昨年末の畜産物価格決定のときの関連対策、12月22日閣議決定した29年度の補正予算、それに続く30年度当初予算の中で、私どもの中で考えられる限りの体質強化策を措置することとさせていただいております。皆様お馴染みですが、地域ぐるみで計画を立てて収益力あるいは生産性を向上させていく「畜産クラスター事業」ですが、27年度補正で610億円、28年度補正で685億円と措置してまいりましたけれども、29年度補正においても665億円と、こういった額を措置させていただいたところでもございますし、酪農家の方々の労働負担軽減のために「酪楽事業」というのを昨年4月から60億円の規模でスタートさせていただきました。今回、関連対策と当初予算併せて80億円に拡充させていただいております。
大きな課題の一つである乳用後継牛の確保対策ですが、性判別精液の活用ですとか、昨年からは乳用の初妊牛を導入したときの奨励金の交付などの対策を講じてまいりました。来年度からは酪農家が自ら生産された雌子牛、これを外部に委託されて育成する取り組みを集団として行なわれる場合に支援する対策を新たに創設させていただきました。
また、酪農ヘルパーにつきましてもメニューの拡充を今回させていただきました。これも宮原会長のご挨拶にありましたが、昨年7月6日に日EU・EPAが大枠合意して12月には交渉妥結、また、TPP11につきましても11月に大筋合意とわが国の酪農乳業界は新たな国際環境の下に立ち向かっていくことになります。とりわけご懸念の強かったチーズにつきまして、先ほど申し上げた畜産クラスター事業の中にチーズ振興特別枠90億円を設けてありますが、これも併せてチーズ対策として今回補正予算で150億円の措置をさせていただきます。この対策によってチーズの原料となる生乳の低コスト化、高品質化、また製造分野でのコスト低減あるいは品質向上、ブランド化といった取り組みを支援させていただくこととしております。
 いま申し上げました諸般の体質強化策を十分にご活用いただいて、わが国の酪農生産基盤の強化に邁進していきたいと考えております。経営安定対策については、昨年6月に成立しました改正畜産経営安定法によりまして、加工原料乳生産者補給金制度を恒久化することとなりましたが、法律成立後、関連する政省令あるいは局長通知を定めて各地で説明会をいたしました。年末には新たな制度の下でのはじめての補給金単価、集送乳調整金単価を決めさせていただきました。今後とも関係の皆様方のご意見を賜りながら今年4月からの新制度への円滑な移行、その後の制度の適切な運用に努めてまいりたいと考えております。

今年2018年現在、東京オリンピック・パラリンピックまで2年半と迫ってまいりました。少子高齢化、人口減少が進む中で、インバウンド、アウトバウンドの需要フロンティアの開拓をしていくうえで、こういった競技会の場で国産畜産物の品質の高さ、良さというものをアピールしていくことが重要ではないかと思います。私どもとしても昨年来、畜産GAPあるいはチャレンジシステムといったものの普及に努めております。今年も更にこれを強力に推進してまいりたいと思いますので、是非とも皆様方のご理解ご協力を賜りたくお願い申し上げます。

結びに、本日ご参会の皆様のますますのご健勝ご活躍、それからわが国の酪農乳業の発展を心から祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

【消費者庁 東出審議官 挨拶】

消費者庁 東出審議官 挨拶

あけましておめでとうございます。消費者庁で審議官をしております東出と申します。本日こうも賑々しく新年賀詞交歓会が開催されましたこと、お祝い申し上げます。また、皆様方には日頃から公正競争規約の運用をはじめといたしまして消費者庁の各種行政についてご支援ご理解を賜っていますこと、この場をおかりしましてあらためて御礼申し上げます。
消費者庁では皆様に主として表示に関するお願いをしているという関係かと思います。先ほど宮原会長からお話がありましたが、乳製品につきましては、いろいろ健康志向を背景にして研究開発がされていると承知しております。そうすると新製品ができて宣伝していくことになりますが、その関係で一点ご紹介させていただきます。昨年7月にいわゆる打消し表示というものについて実態調査いたしまして、その結果を取り纏めて公表しております。新しい機能性について宣伝するとなりますと、そこを強調するわけで、「人によって等の前提条件があります」ということが小さく広告に書かれることがよく見られるパターンですが、そのような広告を出される際にどういう点に注意したらよいのかを取り纏めておりますので、ご一読いただけると幸いです。
いろいろ話したいことはありますが、予定の時間を過ぎていますので、ご紹介は以上にさせていただきまして、皆々様の今後のご健勝ご活躍を祈念いたしまして、ご挨拶とさせていただきます。