第6回定時社員総会・懇親会を開催

去る5月19日(金)、一般社団法人日本乳業協会の第6回定時社員総会・懇親会をホテルグランドパレスで開催いたしました。総会での会長挨拶と懇親会での来賓祝辞を掲載いたします。

【定時社員総会 川村会長挨拶】

定時社員総会 川村会長挨拶

本日は大変ご多用の中、第6回定時社員総会にご出席いただき誠にありがとうございます。会員各位におかれましては、当協会の事業運営につきまして、平素より格段のご支援ご協力をいただいておりますことをあらためて御礼申し上げたいと思います。

それでは、総会開催にあたり一言ご挨拶申し上げます。平成28年度の酪農乳業界の出来事を振り返りながら少しお話をさせていただきたいと思います。

まず、牛乳乳製品の消費につきましては、おかげさまでヨーグルト、アイスクリーム、チーズなどの需要が大きく伸びております。また、昨今減少傾向が続いておりました牛乳のおきましても、昨年末以降、下げ止まり感が出てきておりまして、これまで業界団体が地道に実施しておりました普及啓発活動が一定の効果を表しはじめているのかと感じているところです。併せて、各社も商品開発、あらたな商品展開ということがかみ合って、そうした需要の動きを加速しているのかなと考えております。

一方、国内の生乳生産は酪農家戸数や乳牛頭数の減少が引き続き続いているという状況です。とりわけ昨年は全国各地で地震や台風による甚大な被害が発生しました。北海道では自給粗飼料の収穫期に4度の台風が上陸して、その収量や栄養価に悪影響を及ぼしているという状況であります。その結果、生乳生産量は9月以降、前年を割り込む状況で現在推移しているところであります。こうした状況にあって、私ども乳業者においても、座してそうした状況を静観しているだけではという危機感を持ってJミルクにあらたに基金を造成し、乳牛資源の回復を図るため海外からの乳牛導入等に資金援助を行なうという新しい事業をご提案いたしました。

おかげさまで多くの乳業者の皆様からご賛同いただいて、皆様から基金への拠出をしていただいている状況にあります。この拠出額もほぼ目標額に達するところまできておりまして、こうした活動に対する乳業者の皆様のご理解ご協力については、大変力強いものがあると強く感じている次第でございます。この席をお借りし、あらためてご協力いただいた乳業者の皆様に御礼申し上げます。

初年度ということで、年度途中での取り組みとなること、また、動物検疫所の受入れ限度枠の問題、様々な貿易対策ということが影響しまして、直ちにこの施策が乳牛の頭数増に直結するというところまではいかない訳でありますが、2年目以降こうした施策が発展していく中で一定の効果を上げてくれることを、おおいに期待しているところです。

少し話は変わりますが、乳製品の需給は北海道の生乳生産が年度前半まで順調に伸びていたこと、乳製品の適切な追加輸入によりまして夏場の飲用需給や年末のバター際需要期を昨年度は大きな混乱もなく乗り切ることができたわけです。

しかしながら、先ほど申し上げましたとおり生乳生産の状況が減産に転じたこともありまして、加えて、そうした状況を踏まえた乳製品ユーザーの皆様の不安心理が若干増幅しているのかなと思っております。3月下旬に開示いたしました国家貿易の入札市場では、脱脂粉乳の落札価格が高騰している状況にございます。こうした結果を受けて、国に対し国内の在庫数量だけで輸入判断するのではなく、今後の生乳生産見通しとこの見通しを受けたユーザーの心理といったことも考慮して、今年度の国家貿易の運用について考えてもらいたいということを乳業協会として要請しているところでございます。

また話は変わりますが、昨年度は酪農乳業界において法律・省令等の改正を伴う案件の見直し論議が大変活発に繰り広げられた1年であったと思います。代表的なものとしては、指定団体制度や補給金交付のあり方が主な論点となりました生乳流通制度の見直し、また、HACCPの義務化の問題、また、加工食品の原料原産地表示の決定といったこと、併せて乳業界としては調整液状乳の規格基準設定ということについてメディアも含めて大きな関心を集めたといったところが挙げられるかと思っています。

こうした議論に対しましても、当協会としては夫々に積極的に参画し、必要な意見表明や要請を行なってまいりました。HACCP、原料原産地表示、調整液状乳につきましても、これから具体的な制度の枠組みが夏以降に決まっていくことでもありますので、今後も引き続き、これらの諸課題に対しまして、しっかりとした対応を行なってまいりたいと考えております。この中で、特に乳業協会として重視しているのがHACCPの義務化への対応に関して、若干当協会のスタンスということで少し触れさせていただきたいと思います。

本来HACCPは衛生管理の向上を目指すための取り組みでありますが、そこに加えあらたな観点で推進しなければならない動きができております。昨年12月に東京で開催された全国学乳代表者会議において、農林水産省が学乳の納入資格にHACCPの基準Aの取り組みを要件に入れると表明いたしました。その背景には規制改革推進会議が絡んでいるということでありますし、業界紙の記事から少しずつ周知のことになってきているという状況にあります。

当協会としては、すべての乳業者が基準Aに取り組んでいただけるように講習会の開催等で支援を行ないたいと考えております。そこで会員各位にお願い申し上げたいのは、基準Aへの取り組みは難しいと臆することなく尻込みしないでいただきたいということでございます。まずは当協会主催のHACCP関連講習会を是非とも受講していただきたいと考えております。すでに受講していただいた皆様からは、この内容であれば自社でも取り組めるといったような声もいただいております。協会としてもそうした取り組みのご支援を新年度の活動の中で、いままで以上に充実させていきたいと考えております。

このように様々な課題が山積している乳業界ではありますが、29年度の事業推進にあたっては酪農乳業界の課題解決と発展に向けて力をより一層発揮できるようにしてまいりたいと考えております。協会活動を通して会員及び都道府県協会傘下の会員との一体感を醸成していく、この二つの目標を新年度におきましても事業活動の中心において活動を推進してまいりたいと考えているところでございます。会員各位のこれまで以上のご協力とご支援を引き続きお願い申し上げたいと思っているところでございます。

ご挨拶の最後になりますが、私事で恐縮ですが、3年間勤めさせていただきました会長職を退任させていただくこととなりました。この3年間の中で多くの課題がありましたが、私自身としては大きく2点のことを念じながら活動に取り組んでまりました。一つ目は酪農と乳業が一体となって生乳生産基盤の弱体化という産業に危機にしっかりと立ち向かっていくということでありましたし、二つ目には今後の乳業の視点を価格競争から価値競争に転換をしていくということを念頭において協会活動にあたってまいりました。今後もこれから乳業界が少しでもそうした方向に向かっていってくれることを願ってやまないものでございます。6月16日からは副会長の一員として協会活動に引き続き関わっていきたいと考えておりますが、あらためまして3年間会員の皆様からいただいたご協力とご支援に対しまして、心からの感謝を申し上げまして私の挨拶とかえさせていただきます。長年に亘りましてありがとうございました。

【厚生労働省医薬・生活衛生局 北島生活衛生・食品安全部長祝辞】

厚生労働省医薬・生活衛生局 北島生活衛生・食品安全部長祝辞

本日は一般社団法人日本乳業協会の定時総会後の懇親会が、このように盛大に開催されますことを、まずもってお祝い申し上げます。また、会長様よりご退任の挨拶をいただきましたが、この3年間、私ども行政にもご支援をいただき、あらためて深く感謝と御礼を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

開会にあたりまして一言ご挨拶申し上げさせていただきます。本日、ご参集の皆様には日頃から食品安全の推進にご協力を賜りまして、あらためて感謝申し上げます。最近、食品のグローバル化ですとかブラジルの食肉の問題など、いろいろと食を取り巻く問題が生じたりということで、一般の方々を含めマスコミも食の安全に関する関心が高まっていることを感じているところです。

こうした中で、食品安全管理の国際標準であるHACCPを制度化しようということで昨年から検討を進め、昨年12月には報告を取り纏め報告したところです。来年の通常国会に食品衛生法の改正をできるよう皆でそれを目指して、関係業界の皆様、農林水産省関係の皆様と今後更なる具体的な制度設計について、検討を深めてまいりたいと考えておりますので、是非ともお力添えをお願いしたいと思います。

また、食品の器具・容器包装のポジティブリスト化につきましても、いま検討を進めているところでございまして、欧米がすでに制度化しているということで昨年8月から検討を開始し、この3月~4月でパブリックコメントを募集いたしましたので、その結果を踏まえまして今月25日に取り纏めの議論をしたいと考えているところです。これにつきましても、ご参集の皆様方の業界にも深く係りのある分野ですので、引き続き、ご指導いただければと考えております。

最後の話題ですけれども、いま乳児用液体ミルク、非常に関心が高くて、私の部屋に新聞記者が入ってくると大抵この話題でございます。そういったことで、ご参集の皆様方にも、これについて非常にご尽力をお願いしているところでございます。厚生労働省といたしましては、まずは安心・安全の確保ということを考え規格基準を考えていきたいと思いますので、必要なデータのご協力など、また尚一層のご高配を賜ればとお願いを申し上げる次第です。

結びに、日本乳業協会のますますのご発展と、ご参集の皆様のご健勝とご活躍を祈念申し上げまして、簡単ではございますけれども開会のご挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。

【農林水産省生産局 大野畜産部長祝辞】

農林水産省生産局 大野畜産部長祝辞

一般社団法人日本乳業協会第6回定時社員総会後の懇親会ということで一言ご挨拶申し上げます。まず、本日無事に総会並びに、それに次ぐ理事会を滞りなく終了されて、このように盛大に総会、懇親会が開催されますことを心からお慶び申し上げますとともに、本日ご列席の皆様方におかれましては、平素より私ども酪農畜産行政の推進にあたりまして多大なご支援ご協力を賜っていますことを、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。

また、先ほど川村会長からご紹介がありましたが6月16日付で宮原新会長に会長職を譲られるとお聞きしました。川村会長の在任期間は乳業協会会長として、乳業界全体としての発展にご尽力されたばかりではなく、私ども食料・農業・農村政策審議会の畜産企画部会委員として、一昨年10月5日のTPP大筋合意ですとか、その後昨年の指定団体制度を廃止するとの規制改革会議の提言を3月に頂戴したり、また、昨年末は加工原料乳生産者補給金制度の対象に生クリームといった液状乳製品を追加し単価を一本化するという、非常に波乱の中というか難しい課題が多い中で審議会委員として、いろいろと私どもにご提言をいただきました。厚く御礼申し上げますとともに、ご慰労申し上げたいと思います。

宮原新会長におかれましても、たぶん審議会委員にご就任いただけると思っております。これまでのご経験をいかしていただき乳業協会の発展ばかりではなく、行政が行なっていることにつきましても、貴重なご助言を賜りたくお願いしたいと思います。

さて、最近の酪農畜産をめぐる情勢ですが、昨日、畜産経営の安定に関する法律並びに独立行政法人農畜産業振興機構を一部改正する法律案が国会で審議されました。提出したのは3月3日ですが、今週の火曜日に提案説明を国会で行なわせていただき、昨日はじめて衆議院農林水産委員会で本格的な審議がはじまったところです。今回の法律改正につきましては、いろいろな異なった方面から様々なご意見、ご批判を頂戴しているところですが、これから法律審議を終えた後もまだまだ制度運用の細部について、政省令、関連通知、こういうものを決めさせていただくことになりますが、制定させていただくにあたり引き続き関係の皆様方からの貴重なご意見なりご提言を頂戴したいと思います。

年始の新年合同賀詞交歓会でも申し上げましたが、様々なご意見が存在する中で私どもの基本的なスタンスというのは、とにかく我が国の酪農乳業の発展に資するように最もバランスのとれた制度の改正を目指しているところです。ご理解賜ればと思います。

また、本日は昨年11月に出された農業競争力強化プログラムの一環として、農業競争力強化支援法というのが今日公布されました。これは加工流通構造の改革を進めていくというもので、様々な支援策も用意されております。これまでも乳業の再編合理化でご尽力いただいてきたところではございますが、こういった新たに出される施策もご活用いただいて、お取組いただければと思う次第です。

先ほど川村会長と少し話をさせていただいておりましたが、乳業界が拠出して、いま求められている酪農の生産基盤強化のために各社が拠出されて、そして生産者の方々が乳牛を導入されることにご支援いただけるということでして、私ども非常にこういった取り組みに感謝申し上げますし、敬意を表する次第でございます。農林水産省としましても畜産クラスター事業ですとか、今年度新たに措置されました酪農の働き方改革のための「楽酪事業」など様々な施策を総合的に推進して生産基盤強化に畜産部挙げて取り組んでいきたいと考えているところです。この方面でもご助言賜ればと思う次第です。

最後になりますが、日本乳業協会並びに会員の皆様方のますますのご発展とご隆盛、並びに本日ご列席の皆様方のますますのご健勝とご活躍を心より祈念申し上げて、簡単楚辞ではございますがご挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。

【当協会役員交代のお知らせ】

新任 退任
平野 浩 常任理事 幅田信一郎 常任理事