乳と乳製品のきほん知識

チーズの凝乳酵素

凝乳酵素にはどのようなものがありますか。

チーズの凝乳酵素には、動物、微生物、植物由来のものがあります。
凝乳酵素はたんぱく質のカゼインに働いて乳を凝固させ、熟成中にたんぱく質を分解し、組織や風味を生成する働きをしています。

動物に由来するもの(仔牛レンネット)

生後10~30日の仔牛の第 4 胃から得られる凝乳酵素で、キモシン88~94%、ペプシン6~12%が含まれます。仔牛が母乳以外の飼料を食べるようになると、キモシンは減りペプシン、ペプチターゼなどの消化酵素を多く分泌するようになります。

バイオキモシン

仔牛の第4胃のキモシンを分泌する腺の遺伝子を、微生物に組み込んで酵素を作ります。できた酵素はキモシン100%のため、チーズの品質改良や収量増加が期待できます。

微生物に由来するもの(微生物レンネット)

1960年代、原料の仔牛の胃が不足したことから代替物として使われ始め、カビに属するムコー・ミィハイ、ムコー・プシルスなどが使われています。
微生物レンネットは、タンク培養で大量生産が可能なため、価格が安いのですが、たんぱく分解活性が強く、仔牛のレンネットより苦味が出やすいのが欠点です。

植物に由来するもの(植物レンネット)

イチジクのフィシン、パパイヤのパパイン、パイナップルのブロメラインなどの、たんぱく質分解酵素には凝乳作用があります。宗教上の理由で牛の胃を使えないインドなどでは、古くから研究が行なわれています。一般に風味は淡白ですが苦味が出ます。