第83回 牛乳・乳製品から食と健康を考える会 開催

ホエイ
資料4:ホエイ
ホエイとは
資料5-1:ホエイとは

続いて資料4、5上段のホエイについてお話いたします。
先ず、資料5ですがホエイは一般的に馴染みの薄い製品ですのでこの資料でご説明いたします。
ホエイはチーズを作る際に固形分以外の上澄み液を乾燥させたものです。白い粉状のもので見た目は殆ど脱脂粉乳と変わらないものです。基本的に脱脂粉乳は生乳からバターを作った副産物、ホエイは生乳からチーズを作った副産物です。
ホエイと脱脂粉乳の成分比較をすると似通った成分となっていますが、大きな違いはタンパク質含有量です。脱脂粉乳ではそれが34%ですが、一方ホエイパウダーは11-15%となっており脱脂粉乳の約半分のたんぱく質含有量です。これが特徴です。ただし、技術の進歩により様々な濃縮技術を使ってたんぱく質を脱脂粉乳とほぼ同じ34-36%に合わせた商品もあります。これがWPC34で34という数字はたんぱく質含有量です。

成分比較の表の中で色は脱脂粉乳を溶かすと乳白色ですがホエイは溶かしたら透明になります。風味ですが、脱脂粉乳とは若干風味が異なります。従って、脱脂粉乳と競合する部分はありますが全て同じと言うわけではございません。
主な用途ですが、乳飲料、パン、菓子、デザート等、育児用調整粉乳やタンパク質濃度を高めたものではプロテイン等の栄養食品に使われています。
資料4の説明を致します。以上に述べたホエイの特性から脱脂粉乳との競合という観点から話を進めます。

ホエイについては3区分に分けて考えます。
■国内で製造された脱脂粉乳とたんぱく質含有量で競合しそうなホエイ、つまりたんぱく質含有量が25-45%未満については(1)の図の取り扱いをします。具体的には関税を撤廃はしますがその期間を非常に長く21年目に撤廃をすることになっています。
■ホエイでもセーフガードを措置しています。(2)の図に示してあるとおり一定の数量を決めておき、それを超えると税率を上げる措置です。最初の年が年間で4,500トンの数量、所謂「トリガー」を決めて、年々増やしていき20年目に16,250トンに増やしていきます。この20年目の水準は現在の国産脱脂粉乳の1割強の水準になっています。この発動数量を超えた場合(1)図に示してありますが21年目で関税がゼロになっていくのですが(1)青線)、赤線2)の水準まで引き上げてしまいます。引き上げられた税率は5年間をかけて段階的に戻していくことになります。21年以降はセーフガードの税率は下がっていき、セーフガードが発動されたか否かで取り扱いは変わってきますが3年から14年くらいでゼロになっていきます。
21年目以降のセーフガード税率は3年続けて発動が無ければ終了します。また、発動すれば毎年1.9%+10.7円ずつ削減が基本ですが、セーフガードが発動すれば削減幅が半減することになり最長34年目まではセーフガードが存在することになります。
■脱脂粉乳と競合する可能性が低いたんぱく質含有量25%未満のものは、セーフガード付きで16年目までの関税撤廃期間を確保します。(たんぱく質含有量が特に高いものは、6年目に無税=含有量45%以上のもので用途が限られているもの)

このように、国産の脱脂粉乳をできるだけ守るという観点から競合の可能性の高いホエイについてもセーフガードと長い関税撤廃期間を設けることができました。

チーズの種類
資料5-2:チーズの種類
チーズ
資料6:チーズ

次にチーズです。資料5-2のチーズの部分と資料6をご説明します。
先ず、資料5-2のチーズの種類をご理解いただきます。現在、我が国で輸入されている商品やスーパーの店頭に並んでいる商品、食品産業で使用されている主なものを6種類提示してあります。
フレッシュチーズ、その中にはモッツァレラやクリームチーズがあります。最近国産のものも売られており消費も伸びています。
ブルーチーズは青カビで熟成されたチーズです。国産としても製造されていますが主流とは言い切れません。その他のチーズ(熟成チーズ)はフレッシュチーズ・ブルーチーズ以外のもの全てです。主なものはチェダー、ゴーダ、カマンベール、パルミジャーノ・レジャーノ等はスーパー等で売られています。カマンベールは国産も含めて消費が伸びています。チェダー、ゴーダは直接消費もされますがプロセスチーズの原料として使われています。シュレッドチーズはチーズを帯状または短冊状にしたものの総称です。用途はピザやトーストに使い、消費は伸びています。おろし及び粉チーズはパスタ等にかけて使うものでチーズの種類を特定したものではなく粉状やおろしてある状態のものをいいます。プロセスチーズはナチュラルチーズを粉砕、溶解、乳化させたものです。

この区分を踏まえて、資料6の説明です。
チーズは昭和28年頃から自由化されています。関税が現時点で29.8%です。この関税を支払えば誰でも輸入できます。チーズは消費が伸びております。全体の消費の8割強は輸入品です。国産チーズも伸びてはいますが輸入チーズが大勢を占めていることになります。このチーズの現状から交渉では関税を撤廃しても良いのではないか、国産が少ないので守る必要が無いのではという輸出国側から大きな圧力がかかりました。この状況の中で
■日本人の嗜好に合うモッツァレラ、カマンベール、プロセスチーズ等の関税は維持します。
■特に業務用で原材料として使われるチェダー、ゴーダ等やクリームチーズ等は16年間の関税撤廃期間となり長い撤廃期間を措置することができました。
■国産チェダー、ゴーダ等の主な仕向け先であるプロセスチーズ原料用チーズについて、現行の抱合せ制度を維持することで、国産チーズに対する急激な需要減少を回避することとしております。

以上のこととは別に資料6、1)フレッシュチーズの合意内容でシュレッドチーズ原料用関税割当が記載されています。新たに国産品を1使用することを条件に輸入品3.5までは無税で輸入できます。国産品を使うことを条件とする新たな関税割当を措置しました。国産チーズの新たな需要を作ったと言えます。
6)のプロセスチーズの関税は現状維持できましたが、オーストラリア・ニュージーランド・アメリカに個別に100トン(当初)から150トン(11年目)の関税割当をすることになりました。ただし日豪EPAでプロセスチーズの関税割当は既に措置してあります。現状はオーストラリアからプロセスチーズは輸入されていません。

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